2019年11月12日

「早期発見・早期治療より、まず食生活の見直しを」〜第7回日本オンコプラスティックサージャリー学会総会 患者参加セッション〜

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講演「乳がん死亡率を半減させる生活術と最新乳房再建法」

 2019年10月10日、11日の両日、第7回日本オンコプラスティックサージャリー学会総会が大宮ソニックシティにて開催されました。

 「オンコプラスティックサージェリー」とは、がんの根本的な治療と乳房のアピアランスの両立を目指す乳房手術の考え方のことです。


登壇したナグモクリニック総院長・南雲吉則先生

 学会総会にて、患者参加セッションとして行われたランチョンセミナーには、ナグモクリニック総院長の南雲吉則先生が登壇。

 「乳がん死亡率を半減させる生活術と最新乳房再建法」と題された講演が行われ、会場は乳がん経験者をはじめとするたくさんの参加者で埋まりました。

この半世紀で胃がんと子宮頸がんは大きく減少。がんはまさしく生活習慣病に

 講演の冒頭、がんの部位ごとの死亡率のデータを示し、この30年間で乳がんの死亡率は倍になったが、すべてのがんの死亡率が増えているわけではないと指摘した南雲先生。

 「がんの3大原因である『タバコ』『感染症』『食生活』のうち、『感染症』が大きな原因として起こる胃がん、子宮頸がん、肝臓がんは減り続けています。それに対して、肥満や暴飲暴食、ストレスにより影響を受ける性ホルモンが原因で起こる乳がん、前立腺がん、食生活が原因で起こる大腸がん、すい臓がん、胆管がん、タバコが原因の咽頭喉頭がん、肺がん、食道がん。これら生活習慣によって引き起こされるがんの死亡率は上がり続けています」


 そして、がんになる人の数を減らさなければ、死亡率を減らすこともできないと続け、「早期発見・早期治療が大切だと言われていますが、それだけに身をゆだねますか。それとも、がんの死亡率を減らすために食生活を見直しますか」と参加者に問いかけました。


肥満は乳がんのリスク。精製された糖質のとりすぎには注意を

 「乳癌診療ガイドライン2018年度版」にも、乳がんのリスク要因として閉経後の肥満は「確実」、閉経前の肥満は「可能性あり」と評価されていたことからも、「肥満」は明らかなリスクであるため、まずは肥満解消を呼びかけた南雲先生。

 食生活においては糖質のとりすぎ、特に脂質と合わせて食べるのは肥満の原因となるので気をつけること。そして精製した糖質はがんが成長させるため、白物5品目(白米・パン・麺・砂糖と小麦粉で作った菓子・ポテト)は控えるようにとお話が。

 さらに最近注目されているオメガ3について他の脂肪酸との違いや食生活への取り入れ方をわかりやすく解説してくれました。

 また2014年に世界的な2つの医学誌で「ビタミンDが乳がんの死亡率を下げる」という研究が発表されたことにふれ、「血液検査でビタミンDの数値も調べてもらうといいかもしれません。クレアチニンが低いと筋肉不足、ALPが低い時は亜鉛・マグネシウム不足と血液検査で体の状態がわかります。

 どんな治療も体のバランスが悪いと効きにくいので、みなさんもぜひチェックしてみてください」とアドバイスがありました。


ランチョンセミナーで配られたのは「命の食事」※を実践する
「日本料理『吟』」のお弁当。白米ではなく、玄米が使われていました

命の食事・・・「食生活を見直すことによって、今後30年間でがん死亡者数を半減させる」ことを目指し南雲先生が立ち上げたプロジェクト


■文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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