2019年07月12日

患者同士の交流と情報提供の場を 「男性乳がんの会 メンズBC」(2)

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「男性乳がんの会 メンズBC」を立ち上げた
認定NPO法人キャンサーネットジャパンの大友明子さん

 ―――――― 認定NPO法人「キャンサーネットジャパン」は、2018年1月から男性乳がん患者の交流会「男性乳がんの会 メンズBC」(BCはBreast Cancerの略)を年4回のペースで開催。孤立しがちな男性乳がん患者を支援し、この病気への理解を広める活動をしています。

 「メンズBC」を立ち上げたキャンサーネットジャパンの大友明子さんに、男性乳がんをとりまく状況について、お話をうかがいました。

早期発見のため、男性乳がんの存在を知ってもらうことが重要

 男性乳がん患者特有の悩みといえば、社会の無理解だと思います。とにかく男性乳がんの存在が知られていないことが大きな原因です。

 職場へ病気を伝えても「男性が乳がんになるなんて」で止まってしまい、正しく理解されないことが多いようです。また病院の待合室で、女性から「なんで男の人がいるの」といった目で見られるので、奥さんについてきてもらうという話も聞きました。

 男性の乳がんは診断時に病期が進んでいる場合が多くありますが、「乳がんであることが恥ずかしい」「これはただのおできで、乳がんであるわけがない」といった思い込みや「どこの診療科にかかっていいのかわからない」といった理由で、病院に行くのが遅れてしまうことが多いようです。

 さらに、乳がんと診断されても「女性ばかりがいるところに治療にいくのが恥ずかしい」と、なかなか病院に行くことができず悪化させてしまうケースもあるそうです。早期発見のためにも、男性乳がんの存在への認知を広めることが重要です。

 会のアドバイザーである昭和大学病院の沢田先生も「社会に知ってもらうのはもちろんだし、患者もそのために発信することが大事。ひとりで家にこもっていないで出てこい、男性乳がん患者!」とおっしゃっていました。

 沢田先生は本当に熱い方で、男性乳がん患者さんのことを思って活動に力を貸してくださっています。

 参加者のみなさんも、そんな沢田先生の人柄にふれて、勇気づけられていますし、中には「今後、男性乳がんになる人のためにも、認知を広め、この状況を改善したい」と、TVなどメディアの取材にも積極的に協力してくださる方もいらっしゃいます。


「第5回男性乳がんの会 メンズBC」にて、
アドバイザーとして参加する昭和大学病院乳腺外科・沢田晃暢准教授

同じ乳がん患者として、仲間として応援してほしい

 沢田先生の発案から「男性乳がんの会 メンズBC」では、多くの人に男性でも女性と同じように乳がんなることや、すべての男性乳がん患者に正しい情報が届くことを願い、オリジナルの男性乳がん啓発ピンバッジ(2種類、各100個限定)を作成しました。

 会に参加している患者さんの意見を取り入れ、イラストレーターの前田小絵子さんがデザインしたバッジは、7月の「第27回日本乳癌学会学術総会」と8月の「ジャパンキャンサーフォーラム2019」で販売されます。


男性乳がん啓発ピンバッジのデザイン画。1個1000円。
売上金は「男性乳がんの会 メンズBC」運営に使われる。

 最後に、乳がんの女性患者の方にお伝えしたいのは、もし周りに男性乳がんの方がいたら、治療法は基本的に同じですし、ぜひ一緒にお話をしてくださればと思っています。男性乳がん患者は少ないですが、女性乳がん患者さんが仲間として応援してくだされば、こんなに心強いことはありません。

 そして男性乳がんの方に。会は必ずしも事前予約は必要ないですし、申し込み後に急に来られなくなっても大丈夫です。もし参加を迷っている方がいらっしゃったら、試しに顔を出してみてください。

 ※第6回メンズBCは、ジャパンキャンサーフォーラム2019のプログラムの1つとして、8月17日(土)15:00〜16:30に国立がん研究センター築地キャンパス 研究棟にて開催されます。

ジャパンキャンサーフォーラム2019
認定NPO法人キャンサーネットジャパン 「男性乳がんの会 メンズBC」

■文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。
(日本医療・健康情報研究所)

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