2018年02月05日

乳がんサバイバーが運営するコミュニティ型SNS「Peer Ring(ピアリング)」 幅広い年齢層が参加中!

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 乳がんや子宮がん、卵巣がんといった女性特有のがんの経験者を対象としたコミュニティ型SNS「Peer Ring(ピアリング)」は、2017年7月の開設以来、約半年間で登録会員数450人、非会員を含むユーザーはこれまでに1万4千人を超えます(2018年1月27日現在)

 ピアリング内でコミュニティ運営を行っている一般社団法人オンライン・ピアサポート研究会で代表理事を務める上田暢子さんと理事を務める彩田ゆう子さんは、ともに乳がん経験者。ピアリングの特徴についてお話をうかがいました。

シンプルな3つの機能
<ダイアリー><Q&A><記事>でコミュニケーションを活性化

 女性特有のがんの経験者のためのコミュニティ型SNS「ピアリング」。

 約450人(2018年1月27日現在)の会員の年代別割合を見ると、半分を占めるのは40代、その次に50代が26%、30代が18%と続いています。また60代の会員も5%もいます。一般的なSNSの利用者が10代から40代であることから、女性特有のがんの経験者であることを考慮しても、ピアリングは「幅広い年齢層に利用されている」SNSだといえるでしょう。

 その理由として、機能のシンプルさがあると上田さん、彩田さんは言います。

 「ピアリングの機能は<ダイアリー><Q&A><記事>の3つだけです。開発担当者の『シンプル イズ ベスト』という理念のもと、作られています。最初は30代くらいまでの人が多くなるのではと想定していましたが、幅広い年代の方に利用してもらえて、うれしいです」(上田さん)

 「これが初SNSという会員さんも多いですね。娘さんや旦那さんが代筆している方もいます。『インターネットを通じて、病気のことを話すことができて、気持ちが楽になりました』と書き込んでいただけると、普段からSNSを利用していないような方達にも、ピアリングのような場は求められているのだと実感します」(彩田さん)

女性特有のがんのリアルを知って欲しい


コミュニティ型SNS「Peer Ring(ピアリング)」
一般社団法人オンライン・ピアサポート研究会代表理事・上田暢子さん(右)と理事の彩田ゆう子さん(左)

 ピアリングならではの特徴はほかにもあります。詳細な病歴や個人情報の入力を求めるSNSもありますが、ピアリングでは会員登録の際に必要なのはメールアドレスだけです。

 また、会員以外の人が中を見ることができないSNSも多いですが、ピアリングの場合は投稿するときに「会員限定」と指定したもの以外は、誰でも見ることができます。現在、非会員も含めたサイトの月間利用者は4,000人。会員の10倍ものユーザーがいるそうです。

 「ピアリングへの投稿は、ユーザーが<公開>か<会員限定>を選ぶことができます。<公開投稿>があることで、ピアリングに興味を持ってくださった方が、どんなコミュニティかわかりますし、すぐに情報を必要としている方にとっては助けとなると思います。またがん体験者ではない方に、女性特有のがんのリアルを知っていただくのも、社会的な意義があると考えています。しかし、ユーザーの気持ちに寄り添って、<会員限定>も選べるようにしています。」(上田さん)

"ポジティブな気持ちになれる"良い循環が生まれる場所

 「がんというと深刻な方の情報ばかりが知れ渡っていて、それががん全体のイメージになっているような状況もありますが、ピアリングを見ていただければ『がんになっても、暗くなっているばかりじゃないんだ』と思ってもらえるのではないでしょうか」(彩田さん)

 会員になったばかりの方は告知されて間もないことが多く、落ち込んだ様子の投稿もありますが、ほかの会員さんから励ましの言葉で元気を取り戻し、しばらくすると励ます側になるのだそうです。そして人を励ましていくことで、ポジティブな気持ちになれるという良い循環が生まれているといいます。

 「ご自身のがん体験が、同じような病気でつらい想いをしている人たちの役に立つことで、がんになったことを肯定的にとらえられるようになるのだと思います」(上田さん)

 昨年11月にはiPhone版、12月にはAndroid版のスマートフォン向けアプリがリリースされています。 ダウンロードサイトURLは[iPhone版][Android版]です。

■参考
Peer Ring(ピアリング)
株式会社リサ・サーナ Risa Sana ,Inc

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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