2016年10月03日

世界に広がる!手編み乳房パッドを作る活動
「ちあぱい♪」日本で開始

キーワード:ライフスタイル
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手編みの乳房パッドは、柔らかくて、軽くて、経済的

 乳がん体験者のためのコミュニティサイト「チアウーマン」のメンバーによる「手作りおっぱい部」では、2016年2月から手編みで乳房パッドを作る活動が行われています。

 「ちあぱい♪」と名づけられたこの乳房パッドは、肌にやさしいコットンの毛糸を編んで作るため、柔らかくて、軽く、市販のパッドに比べて経済的。洗濯機で洗うこともできますし、普通の下着と一緒に使うこともできます。

 元となったのは、アメリカワシントン州ベリンハイムに拠点を置くNPO団体「Knitted Knockers」 の活動です。乳がんサバイバーである主宰者のバーバラ・デモレストさんが「乳房を切除した患者の喪失感を埋めたい」と始めた活動で、現在ではボランティアの人たちが乳房パッドを編み、それを必要としている人の手元に届けられています。「Knitted Knockers」の考えに共感し、活動を行っているグループは、日本の「手作りおっぱい部」のほか、アメリカ、カナダ、オーストラリア、南アフリカなど世界各国に広がっています。

 「ちあぱい♪」は、Knitted Knockersが公開している「乳房を切除された方のための手編みパッド」の作製法をもとに、「手作りおっぱい部」のメンバーが使いやすくアレンジを加えた手編みの乳房パッドです。編み図は「チアウーマン」のスタッフブログからダウンロードできるようになっていて、Knitted KnockersのサイトでもJapanese patternとして公開されています。

編み図のダウンロードはこちら

編み図(日本語)by「手作りおっぱい部」


編み図を参考に、自分で作ることも可能です。

 編み図には棒針とかぎ針がありますが、かぎ針のものは仕上がりが比較的かたい感じで、形がしっかりと保てるのが特徴、また棒針のものは肌触りが柔らかいため、術後まもない人や傷が痛む人にオススメです。

  そして、この棒針とかぎ針の良いところを組み合わせて「手作りおっぱい部」で考え出されたのが「ハイブリッド編み」です。表面をかぎ針で、裏面を棒針で編むことで、形はしっかりして、肌に当たる部分がやわらかい乳房パッドができあがります。

 さらに「手作りおっぱい部」では、部分切除の人が使えるように形を変えた「ちあぱい♪」や、サイズ選びがしやすいように、カップ付きキャミソールとワイヤーブラに分けてのサイズ表、作るときのコツや使い方の工夫をワンポイント提案しています。


手作りおっぱい部で編まれたちあぱい♪


ちあぱい♪を通して、ぬくもりと絆を届けたい

 「手作りおっぱい部」は「チアウーマン」のメンバーのひとりが、Knitted Knockersのサイトに辿り着いたことからはじまります。

 「英語の作り方を解読して、おっぱいを編んでみると手術を受けた自分の胸が回復していくように感じました。この幸せを誰かに届けたいと強く思いました」

 個人で制作をするのではなく、「チアウーマン」で部を発足させたのは、手編みのおっぱいを作ることで絆を作っていきたいという気持ちからでした。活動は広がりを見せ、発足後7ヶ月でメンバーは63名になりました。(2016年9月14日現在)

 また「『ちあぱい♪』を胸に入れて診察にいったら、みんなと一緒にいる気がして、不安が減った」というメンバーの声から生まれたのが「ミニちあぱい♪」のストラップ。お守りのような意味合いもあるほか、「手作りおっぱい部」の活動を説明するのにも役立っているそうです。


かわいらしい「ミニちあぱい♪」

 現段階では本家の「Knitted Knockers」のように、オーダーは受け付けられないそうですが、オフ会やニットカフェで編み方を教えあったり、「チアウーマン」メンバーや同病の友人にプレゼントしあったりしているとのことです。そして、「『ちあぱい♪』の良さをもっと知ってほしい!『ちあぱい♪』の種を飛ばしたい!」と、通っている病院やメディカルサロンに編み図や「ちあぱい♪」を置いてもらうなど積極的に紹介しているメンバーもいて、その活動はサイトの中からサイトの外へと広がりをみせています。

 「ちあぱい♪」は編み手と貰い手のどちらにとっても、癒しの効果があります。編み手は一目一目編むことで心の安定を得て、それを必要とする方に喜んでもらえることが、自信を取り戻すきっかけとなる。また貰い手は喪失感が埋まるだけでなく、「あなたは一人じゃない。仲間がいるよ」という応援メッセージを感じ、一歩前に前進できる。

  共に癒されてこそ、ピアサポート。この乳がん体験者ならではのピアサポートの形として、手作りおっぱい部の活動に今後も注目していきたいです。


病院などに届けられる「ちあぱい♪」は
「手作りおっぱい部」のメンバーがきれいに包装している

乳がん体験者のためのコミュニティサイトCheer Woman

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■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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