欧米では、すでに遺伝性乳がん卵巣がんの遺伝子検査が普及し、HBOCのリスクが高い人の検査体制が整い、遺伝子に変異が認められた場合、予防的治療が選択肢の一つとなっています。
一方、日本でも、乳がんの患者さんやご家族の希望に応えるため、遺伝子検査や予防的な治療を普及させようという動きが活発になってきています。ただし、遺伝子検査も予防的な治療もすべて保険適用外なので、経済的な負担を考慮しなければならず、必要な方へ普及するまでにはなかなか至らないというのが現状です。
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のいまとこれから
No.4 HBOCへの対応 日本の現状、欧米との違いとは?

昭和大学医学部 外科学講座乳腺外科学部門教授、 昭和大学病院ブレストセンター長
(2017年12月)