2021年09月16日

放射線療法によって起こる皮膚の変化〜2021年8月開催E-BeCオンラインセミナー「放射線療法とスキンケア」( 2 )

キーワード:乳房再建 治療
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 2021年8月、NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー(E-BeC) によるオンラインセミナー 「放射線をあてた皮膚ってどうなるの?―放射線照射後のスキンケアー」が開催されました。講師は久留米大学放射線腫瘍センターの淡河恵津世教授です。

 放射線療法終了後3ヶ月以内に起きる「急性期」の症状と、数ヶ月後から起きる「晩期」の症状についてまとめた前回の記事。今回は、急性期と晩期、それぞれに起きる症状に合わせたケアの方法をご紹介します。

前回の記事は<コチラ>

急性期の皮膚炎がおさまったら、保湿ケアを開始


照射後にあらわれる皮膚の変化と対処法

【急性期のスキンケア】

 放射線療法終了後3ヶ月以内によく起きる症状は、放射性皮膚炎です。照射中〜照射終了後6週間くらいの間は皮膚の状態に合わせて、ステロイドの外用剤を使用します。また皮膚炎を悪化させないためには日々の生活にも配慮が必要です。

 「照射部位の清潔を保つこと、刺激を避けることが大切です。入浴時は、熱いお湯や冷たい水は避け、石鹸を泡立てて皮膚をこすらないように優しく洗い、下着にも気をつけましょう。また放射線の照射で汗をかきにくい状態になるため、ほてりや熱感を感じることがありますが、この場合は冷たいタオルなどで冷却しても大丈夫です。冷却が皮膚炎の予防にはなりません」(淡河先生)

【晩期のスキンケア】

 晩期に現れる症状が、汗や皮脂が出なくなることにより起こるドライスキンです。急性期の皮膚炎が回復した後(照射後4〜6週間以降)から、保湿力の高い外用剤を持続的に使用していきます。

 保湿剤としては尿素製剤やワセリンが知られていますが、ヘパリン類似物質が含まれた外用剤を継続的に使用することにより乾燥した環境でも保湿性が持続し、皮膚が修復してきます。医師の指導の下に使用してください。

 「保湿剤を使用する場合には、入浴後は出来るだけ早めに、1日2回が理想的です。保湿剤を乳房全体に乗せて、指の腹を使って『の』の字を描くようになでるとマッサージにもなります」(淡河先生)

淡河先生監修の小冊子「乳がんの放射線治療におけるスキンケアについて」


「乳がんの放射線治療におけるスキンケアについて」

 淡河先生が監修をした小冊子「乳がんの放射線治療におけるスキンケアについて」は、放射線治療施設からの配布であるため個人配布は行っていませんが、興味のある人は通っている施設に相談をしてみてください。

 またE-BeCが発行している「乳房再建手術Hand Book」では「乳がん患者さんのためのQOL向上ガイド」として、淡河先生が監修した「放射線照射後のスキンケア」が紹介されています。「乳房再建手術Hand Book」は自由にダウンロードできますので、ぜひ参考にしてください。

 次回のE-BeCオンラインセミナー「乳房再建手術Hand Book」シリーズは、10月3日(日)に開催。「リンパ浮腫」について亀田総合病院リンパ浮腫センターの林先生がライブで参加者の質問に答えます。詳しくは<コチラ>よりご覧ください。

■リンク
「乳房再建手術Hand Book」
NPO法人エンパワリング ブレストキャンサー(E-BeC)

■取材
・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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