体験者だからできること。乳がん医療に貢献する人材を育てる
第17期BEC養成講座のリーフレット
認定NPO法人キャンサーネットジャパン(以下、CNJ)が、2007年4月から開催している「乳がん体験者コーディネーター(以下、BEC)養成講座」。
2007年(1期)から2021年(16期)まで、BEC養成講座の受講生は500名を超え、乳がん患者さんの支援活動、乳がんの啓発活動において、多くのBEC認定者が活躍中です。
2021年9月に開講する第17期は、7月1日(木)から募集が始まっています。割引申込期間は、【7月1日(木)~9月30日(木)】。通常申込期間は【10月1日(金」~12月20日(月)】。≪お申し込みはこちら≫
CNJにおいてBEC養成講座が始まったきっかけ、講座の特徴、受講の目的、認定者のその後の活動について、CNJスタッフの大田原りなさんにお話をうかがいました。大田原さんは、第11期のBEC認定者でもあります。
認定NPO法人キャンサーネットジャパンの大田原りなさん
―CNJでBEC養成講座が始まったきっかけを教えてください。
CNJの歴史は30年前、乳がんの専門医である南雲吉則先生と吉田和彦先生のおふたりが、米国国立衛生研究所発行の乳がん患者さん向けの冊子を日本語に翻訳し、無料配布したことから活動が始まりました。
それ以降、CNJでは「がん患者が本人の意思に基づき、治療に臨むことができるよう、患者擁護の立場から、科学的根拠に基づくあらゆる情報発信を行うこと」をミッションに、「がん体験者・家族・遺族、その支援者、そして医療者と共に、日本のがん医療を変え、がんになっても生きがいのある社会の実現」をヴィジョンに掲げ、活動を続けています。
「BEC養成講座」開設の背景には、2007 年 6 月に閣議決定された「がん対策推進基本計画」が大きく影響しています。「がん対策推進基本計画」では「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会の実現を目指すこととする」と言及されています。
がんの中でも乳がんは特にそうですが、告知を受けてから患者が治療を決める上で選択しなければならないことが多く、信頼できる情報が求められます。一方で、医療者と患者の持つ情報の非対称性ががん医療現場では少なからず問題として存在していました。
そこで民間レベルにおいて、科学的根拠に基づいた、その時々における良質で信頼性の高い乳がん医療情報を提供し、かつ、乳がん特有の医療情報等を患者の言葉として伝えることのできる「乳がん体験者コーディネーター=BEC」の人材養成講座をスタートしました。
医療者と患者の橋渡しこそ、BECに期待される役割です。科学的根拠を持った正しい情報を的確に過不足なく伝え、日本のがん医療に貢献できる存在であってほしいし、体験者だからできることがあると考えています。
次回は、「医療者と患者の橋渡し」役として 乳がん体験者コーディネーター(BEC)養成講座、第17期募集中!( 2 )をお届けします。
・認定NPO法人キャンサーネットジャパン 乳がん体験者コーディネーター(BEC)養成講座
■乳がん体験者コーディネーター(BEC)養成講座 問い合わせ先 認定NPO法人キャンサーネットジャパン BEC講座担当 【電話】03-5840-6072(受付時間:月〜金 10:00〜17:00) 【E-mail】cinbec@cancernet.jp
■取材
・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。
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