2021年03月31日

乳がん治療で、セカンドオピニオンを活用したいタイミング〜ピアリング主催「第16回笑顔塾」から( 2 )~

キーワード:治療
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 2021年2月13日に開催された一般社団法人ピアリング主催のイベント「第16回笑顔塾~がん治療でセカンドオピニオンを活用しよう~」。

 登壇された横浜市立大学医学部乳腺外科の山田顕光先生と横浜市立大学医学部産婦人科のルイズ横田奈朋先生のお話の中から、乳がん患者さんがセカンドオピニオンを上手に活用するヒントを紹介します。

考えるべきことが多くなる『診断』と『病理結果』のタイミング

 山田先生が「乳がん治療においてセカンドオピニオンを活用するタイミング」として挙げたのが、『診断』と『病理結果』です。

 初診から検査を経て治療方針が説明される『診断』は情報が一番増える時で、妊孕性の問題、遺伝性乳がんの問題、術式や乳房再建に関する選択肢、抗がん剤治療をするのであればアピアランスケアについて、仕事との両立、ご家庭の事情によっては社会的支援の検討なども考える必要があります。

 そして『病理結果』では、術後に行う再発予防の治療について検討を行います。サブタイプや再発リスクに応じて、ホルモン療法、抗がん剤治療、抗HER2療法と様々な選択肢があり、患者さんにとって考えることが多くなるタイミングです。

 「『診断』のタイミングでセカンドオピニオンをとる場合は、その後の治療のスケジュールがありますので、開始までどのくらいの時間があるのかを担当医に確認しておいたほうがいいでしょう。『病理結果』のタイミングでも術後の抗がん剤治療は3ヶ月以内の開始が望ましいとされていますので、ある程度、時間の制約があります」(山田先生)

 また「セカンドオピニオンの予約がなかなかとれない」という声をよく聞きますが、これは通常の臨床医が、外来や検査、手術といった日常診療や会議以外の時間でセカンドオピニオンの診察を行っている病院が多いからだそうです。

 一方、切除が難しい乳がん、再発乳がんの治療は薬物療法が中心となりますが、緩和ケアや治験への参加など気になることがあれば、どのタイミングでもセカンドオピニオンを活用してほしいといいます。

 「1.2次治療は標準治療が確立していますが、3次治療以降は科学的根拠が乏しくなり、それぞれの病院で経験に基づく判断となってきますので、このタイミングで別の医師の意見を聞くという選択肢が出てくるかもしれません」(山田先生)


 講演の終わりに事前に参加者のみなさんから寄せられた質問に答えた山田先生。そのQ&Aを一部紹介します。

Q.「セカンドオピニオンをとりたい」と担当医に切り出しにくいのですが、どうしたらいいですか?

A.診察室で萎縮してしまうかもしれないという人は、ご家族や友人と一緒に受診するとよいかもしれません。

また、ある本で見たのですが「先生のことは信頼していて、この先の治療もお願いしたいと思っているのですが」というようなクッション言葉を使ったり、「家族がどうしてもセカンドオピニオンを聞いてこいというので」と他の人を理由にしたりすると、ご自分のみならず先方の気持ちがやわらぐのではないかと紹介されていました。

Q.セカンドオピニオンを聞く病院や医師の選び方は?

A. 例えばラジオ波熱焼灼療法などの特定の治療は限られた施設でしかできないこともあるので、(そのような特定の治療を)希望するのであれば、該当の施設を選ぶとよいと思います。

セカンドオピニオンを相談する医師については、がんセンターや大学病院には向学心が高く、最新の知見に精通した経験豊富な医師が多い傾向はあるかもしれません。またその医師が(日本乳癌学会が認定している)乳腺専門医・指導医であるかどうかも参考にされるとよいと思います。

妊孕性温存を希望する場合は、必ず治療開始前に相談を


婦人科がん治療におけるセカンドオピニオンの活用について
講演した横浜市立大学医学部産婦人科のルイズ横田奈朋先生

 山田先生に続き講演を行った横浜市立大学医学部産婦人科のルイズ横田奈朋先生は、乳がん患者さんも直面する可能性がある「妊孕性の問題」について 「妊孕性温存を希望される場合は、必ず治療開始前に相談をしてください。

 すべての症例で可能とはいえませんが、卵子凍結や受精卵凍結。卵巣凍結などの手段があります」と話し、「地域がん・生殖医療ネットワーク」の紹介をしてくれました。

 2012年11月に設立された日本がん・生殖医療学会では、各地域のがん診療施設と生殖医療施設の医療連携である「地域がん・生殖医療ネットワーク」を推進。

 WEBサイト「がん治療と妊娠 - 地域医療連携」から、都道府県ごとの施設を検索することができます。現段階では準備中の都県もありますが、そのネットワークは広がりつつあります。

一般社団法人ピアリング
女性特有がんに向き合う方のためのSNSコミュニティ『PeerRingピアリング』

■取材
・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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