
乳がん検診受診率の向上のほか、再発リスクの管理にも有用
がんの大きさが2cm以下で、リンパ節や他の臓器に転移していない「ステージⅠ」で乳がんが見つかった場合の5年相対生存率は99.8%(国立がん研究センター・2009-2010年5年生存率報告書より)と早期発見により適切な治療が行われれば、良好な経過が期待できます。 一方、早期発見を目的に国がすすめる乳がん検診は、現在、40歳以上の女性に対し2年に1回の間隔で、問診および乳房エックス線検査(マンモグラフィー)を行うことが推奨されています。ところがその受診率は47.4%(2019年・がん情報サービスWEBサイトより)と低迷しています。 検査を受けない理由として、時間がとれないことや、痛みや恥ずかしさなど検査に伴う苦痛をあげる人が多いですが、TearExo法であれば、ドライアイの検査に用いられる「シルマー試験紙」と呼ばれる短冊型の小さな紙を目じりに置き、数分目をとじて涙をしみこませるだけなので痛みはありません。 自己採取も可能なことから、自宅で採取したものを検査機関に送ることが可能となれば、病院に行く必要もなくなります。 また乳がんを罹患した人にとっては、通院することなく再発リスクを自分で管理できる方法としても有用であるといえるでしょう。
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・公開期間:2021年1月20日(水)~4月16日(金)23時まで
■取材
・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。
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