
認定NPO法人キャンサーネットジャパンは2020年10月3日、コロナ禍における乳がんに関する情報を整理して届けることで、乳がん患者さんの不安を少しでも軽減することを目的に「オンライン市民公開講座 コロナ禍における乳がん診療〜乳がん診療・治療の機会を逃さないために」(共催:日本イーライリリー株式会社)を開催。
講座の後半では、福島県立医科大学腫瘍内科学講座主任教授の佐治重衡先生と聖路加国際病院相談支援センターの橋本久美子さんが、乳がん治療と新型コロナウィルス感染症に関する参加者からの質問に回答しました。
「乳がんは基礎疾患?」「重症化のリスクは?」コロナ禍に知りたい疑問の数々
最初に紹介された質問は「ホルモン療法中のリスクについて」。
具体的には、「ホルモン療法中の乳がん患者は、新型コロナウィルス感染症にかかりやすいか?またかかった場合、重症化しやすいか?」「新型コロナウィルスは血栓に関連していると聞きますが、乳がんのホルモン療法をしているとリスクになるのか?といった問いが寄せられました。

他には下記のような質問が紹介され、佐治先生、橋本さんがわかりやすく答えてくれました。
「基礎疾患があると新型コロナウィルス感染症が重症化するというが、乳がんは基礎疾患になるのか?」
「コロナ禍のため、対面でのピアサポートができず、患者さんの心の悩みなど対応が難しい」
「4月に乳房再建手術を行う予定だったが、病院で感染者が出たためキャンセルした。今後どうすれば?」
キャンサーネットジャパンでは、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、「COVID-19に関するがん患者と家族のためのQ&A」のページをWEBサイト上に開設。
がん患者さんやご家族が不安なこと、特に気を付けたいこと、質問に対し、キャンサーネットジャパンの理事をはじめアドバイザリーボードメンバー、その他多くの医療関係者による回答を掲載。質問も受け付けています。
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認定NPO法人キャンサーネットジャパン
乳がん患者さんはもちろん、病気を抱えて不安を抱いている患者さんにとって大変参考になる内容です。ぜひご覧ください。
キャンサーネットジャパン主催「ジャパンキャンサーフォーラム」、今年は初のオンライン開催
NPO法人キャンサーネットジャパンでは、10/24・25に「ジャパンキャンサーフォーラム」を開催します。年に1度行われる、がん患者さんやその家族のための日本最大級のがんフォーラムで、2014年から始まりました。
各がん種の最新情報のほか、お金や栄養など生活まわりに関するものなど、2日間で計49のコンテンツが視聴可能です。
今年は新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、初めての「オンライン」で開催です。

乳がんに関するプログラムは、10月24日に「乳がん」「乳房再建」「男性乳がん」をテーマにした講演があります。
「乳がんと診断された患者さんは、驚きや不安でいっぱいの中で、短い時間内に数ある選択肢の中から意思決定をして治療に臨む必要があります。ご自身で納得のゆく選択ができるよう、このフォーラムを情報収集やお気持ちを整理する上での手段のひとつとしてご活用いただければ幸いです」(NPO法人キャンサーネットジャパン 大田原りなさん[乳がん体験者])
事前申し込み不要、当日は特設ページに入口が表示されるので、そちらから各会場のプログラムを選択して自由に視聴できます。
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「ジャパンキャンサーフォーラム」(主催:認定NPO法人キャンサーネットジャパン)
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プログラム詳細はこちらから
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認定NPO法人キャンサーネットジャパン
■取材
・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。