グンゼ株式会社の子会社である株式会社メディカルユーアンドエイ(本社:大阪市北区)が、アメリカ・シエントラ社(Sientra Inc.)の乳房再建術および乳房増大術用ブレスト・インプラントの薬事承認を2020年8月に取得、保険適用となる予定です(日本での発売開始は2020年10月を予定)。
薬事承認を取得したインプラントは以下の3種類です。
1.【アナトミカル型テクスチャードタイプ:しずく型で表面がざらざらした性状】

2.【ラウンド型テクスチャードタイプ:丸型で表面がざらざらした性状】

3.【ラウンド型スムースタイプ:丸型で表面がつるつるした性状】

特に注目されるのは、アナトミカル型テクスチャードタイプのブレスト・インプラントです。
2019年7月、日本で唯一保険適用となっていたアラガン社のブレスト・インプラントのうち、テクスチャードタイプ(表面がザラザラとした)が血液のがんの一種「ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)」の原因となっていると報告されたことに伴い、出荷停止に。日本では保険適用のテクスチャードタイプのインプラントが存在しない状況が続いています。
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会によると、シエントラ社のテクスチャードタイプは「マイクロテクスチャードタイプ」とも呼ばれ、出荷停止となったアラガン社のものとは異なり、面積が少ない表面加工が特徴で、BIA-ALCL発生例の報告はあるもののリスクは格段に低いといいます。
また、現在保険適用となっているブレスト・インプラントは、アラガン社の「ナトレル ブレスト・インプラント(Inspiraシリーズ)」のみで、これはラウンド型スムースタイプです。選択肢に、アナトミカル型のインプラントが加わることは患者さんのQOLにとって大きなプラスとなると思われます。
・株式会社メディカルユーアンドエイ
■取材
・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。



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