
新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され、多くのイベントやセミナーが開催自粛を余儀なくされる中、がんサバイバーの集まりにもオンラインのイベントやセミナーが増えてきています。
「若年性乳がんサポートコミュニティPink Ring®」では、新型コロナウイルス流行以前の2019年11月から、WEB会議ツール「Zoom」を利用したオンライン型の「WEBおしゃべり会」をスタート。すでに5度の無料モニター回を重ね、2020年4月29日(祝・水)には
「WEBおしゃべり会特別企画」を開催する予定です。
オンライン型のイベントをいち早く導入したきっかけや、有意義な会にするための工夫をPink Ring事務局の吉川春菜さんにうかがいました。
地方と東京の情報格差を緩和する活動に力を入れる
―――――「若年性乳がんサポートコミュニティ Pink Ring®」の特徴や強みを教えてください。
吉川(以下敬称略):『若年性乳がん体験者と医療者が協働して運営しているので、体験者目線・医療者目線それぞれから多角的なサポートを行えることがPink Ring®の強みです。
また、対象者を「若年性乳がん体験者または若年性特有の悩みを共有できる体験者」にフォーカスしているため、よりニーズに合った情報やコミュニティの提供が可能です。一般的に35歳未満で発症した乳がんを若年性乳がんと呼びますが、Pink Ring®では年齢制限は設けていません。』
Pink Ring®のサバイバーのみなさん。掲げるプレートは乳がんを告知された時の年齢
―――――最近、特に力を入れている活動を教えてください。
吉川:『WEBおしゃべり会などのインターネットを利用したイベント開催、また地方支部の開設や全国キャラバンを通して、首都圏のみにとどまらない、地方でのコミュニティの提供にも力を入れています。
設立当初より正しい医療情報と仲間との出会いの場を提供するため、毎年東京で若年性乳がんに特化したシンポジウム「Pink Ring Summit」を開催していますが、2018年からは地方の情報格差を緩和するため、インターネットを通じて中継を結び、東京会場の講演等を地方に届けています。
また、ホームページをリニューアルし、より正しい情報や欲しい情報にアクセスしやすくすることにも力を入れています。』
地方に住むサバイバー、外出しづらい人に共有できる場を
―――――「WEB おしゃべり会」をはじめたきっかけを教えてください。
吉川:『Pink Ring®では、2017年から全国キャラバンを開催し、北海道から沖縄まで全国10箇所をまわってきました。その中で、地方での支援の少なさや、孤独に病気と向き合っている方が多いことを痛感しました。
地方にお住まいで悩みを相談できる場がない方や、体調に不安があり外出しづらい方などに、何とかして同世代の体験者同士が不安や悩みを共有できる場をお届けできないかと考え、おうちにいながらパソコンやスマートフォン、タブレットを使って参加できるオンライン型のおしゃべり会を2019年11月からスタートしました。』
次回は、
「【若年性乳がんサポートコミュニティ Pink Ring®に聞く】⑵~オンラインイベントの成功に必要なこと~
」をお届けします。
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若年性乳がんサポートコミュニティ Pink Ring
■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。