
国立がん研究センター東病院は、がん治療にともなう食事の悩みに合わせたレシピを検索できるサイト「CHEER!(チアー)」を開設した。
がん患者の食事に関する悩みが多様化
「CHEER!」は、がん(Cancer)、助ける(Help)、食べる(Eat)、簡単(Easy)、レシピ(Recipe)それぞれの頭文字をつなげて作った造語で、患者や家族を食を通して「応援する(CHEER)」という意味も込められている。 がん治療にともない、食欲不振、吐き気・嘔吐、味覚変化、口内炎・食道炎、下痢、便秘、消化器術後、貧血――という8つの症状が起こることが知られている。がん患者の食事では、食材選びや食べ方、調理法などに工夫が必要となる。 日本人が生涯でがんに罹患する確率は、男性 62%、女性 47%に上る。がん治療は進歩しており、がん患者の生存率は向上している。現代は「がんと共存する」時代といえる。 それにともない、治療中のみならず治療後もがんとともに生活する上で、食事に関する悩みが多様化している。通院しながら治療をするがん患者が増え、食事の問題が家庭でも発生するようになった。 さらに、がん患者は高齢者に多く、食事作りを担う配偶者も高齢である場合や、家族を亡くした人が1人暮らしをしているケースも増えている。若い世代では、就労や育児との両立といった問題を抱えながら、自分の食事とは別に家族の食事にも対応しなければならないという切実な状況がある。患者の感想や意見を活かしたレシピを作成
「CHEER!(チアー)」に掲載されているレシピ


今後も新しいレシピや情報を追加
「ホームページに公開することで、当病院の患者のみならず、全国の患者とその家族など、全ての支援者の生活に役立つヒントとして活用いただくことを目的としています。今後も新しいレシピの追加やがん治療に役立つ最新の情報を掲載し、より多くの方に利用していただくよう更新していきます」と、同病院では述べている。 「CHEER!」のレシピ検索機能4つの方法でレシピ検索が可能
(1)症状で探す:がんの治療にともなう8つの症状(食欲不振、吐き気・嘔吐、味覚変化、口内炎・食道炎、下痢、便秘、消化器術後、貧血)から選択
(2)料理区分で探す:主食、主菜、副菜、汁物、間食・デザート、タレ・ソースから選択
(3)材料で探す:米・麺・穀類、肉、魚介類、大豆製品、卵、乳製品、野菜・芋、きのこ・海そう、果物から選択
(4)フリーワードで探す:「にんじん」「時短」「簡単」などのフリーワードで検索 柏の葉料理教室から生まれた がん症状別レシピ検索 「CHEER!(チアー)」
関連ニュース・トピックス
- 乳がん手術で失った乳頭・乳輪の再建〜E-BeCオンラインセミナーより〜( 2 )
- 乳がん手術で失った乳頭・乳輪の再建〜E-BeCオンラインセミナーより〜( 1 )
- プチプラコスメで、手軽にアピアランスケア( 2 )
- プチプラコスメで、手軽にアピアランスケア( 1 )
- コロナ禍の影響は患者の経済環境にも! (一社)ピアリング「第2回新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急実態調査」アンケート結果を公開
- お寺で、がんカフェ。 宗教を問わず、不安や悩みを抱える人たちの居場所として
- 乳がんとコロナ 気になる疑問に医療者が答える オンライン市民公開講座「コロナ禍における乳がん診療」⑵
- 通院や治療に対する不安を軽く オンライン市民公開講座「コロナ禍における乳がん診療」⑴
- 「低脂肪食」が女性の健康に大きく貢献 がんや糖尿病、心臓病のリスクが減少
- 生活を朝型にする乳がんリスクを減少できる 睡眠障害はホルモン分泌に影響