
アフラック生命保険株式会社人事部の
田中美樹さん(右)と浜野直也さん(左)
―――――1974年、日本ではじめてがん保険を販売したアフラックは、社会に対しがんに関する啓発活動を積極的に行うとともに、
社内におけるがん治療と就労の両立支援について、力を入れています。
社内に向けて、両立支援の取り組みを周知させることの重要性などについて、人事部の田中美樹さん、浜野直也さんにお話をうかがいました。
「がんになっても安心して働ける」ことを、社員全員に伝える大切さ
当社では、がんになった社員に対し、上司を起点に産業医(健康管理室)・人事課が三位一体となって連携し、支援を行っています。 中でも「上司を孤独にしない」ということを重要視しています。部下ががんになるという経験は上司にとっても大変なことです。 産業医や人事部が上司からの相談にのるなどサポートを行っています。

また、がんになった当事者に対してはもちろんですが、がん治療と就労の両立のためには当事者以外の社員にも 「自分ががんになったら、どういう風に働いていくことができるのか」「周りの人が、がんになったらどうサポートすればいいのか」 といったことを知ってもらうのが大切と考えています。
社員に対する周知のために制作したのが、「がん・傷病就労支援」に関する情報をまとめた社内ポータルサイト、
そして制度や運用などを冊子にまとめた「がん・傷病 就労支援ハンドブック」です。
他社の方から、両立支援の取り組みについてご質問を受けることがありますが、
ハンドブックでしたらどの会社でも取り入れやすいのではないかと思います。ハンドブックが難しければ、簡単なリーフレットでもいいので、
まずは形にすることが大切かと思います。

制度や運用などを冊子にまとめて社員に案内するために制作した
「がん・傷病就労支援ハンドブック」
ハンドブックやリーフレットを作る以外にも、おすすめしたいのは、相談窓口をはっきりさせることです。 当社であれば上司、もしくは産業医のいる健康管理室が窓口となっていることを、全社員に周知しています。
かつては、当事者への支援にとどまっていたのですが、職場の仲間たちのサポートが不可欠であることに気づきました。
ここ数年は、がんに罹患した当事者やその上司はもちろんですが、広く社内に、がんや傷病の治療と就労の両立支援の取り組みを伝えています。
よい職場環境をつくるため「がんになっても安心して働ける」こと、そして「周囲のサポートがあるとより安心して働ける」ことを
今後も社員に伝え続けていきたいと思います。
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。
関連ニュース・トピックス
- コロナ禍の影響は患者の経済環境にも! (一社)ピアリング「第2回新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急実態調査」アンケート結果を公開
- お寺で、がんカフェ。 宗教を問わず、不安や悩みを抱える人たちの居場所として
- 乳がんとコロナ 気になる疑問に医療者が答える オンライン市民公開講座「コロナ禍における乳がん診療」⑵
- 通院や治療に対する不安を軽く オンライン市民公開講座「コロナ禍における乳がん診療」⑴
- 「低脂肪食」が女性の健康に大きく貢献 がんや糖尿病、心臓病のリスクが減少
- 生活を朝型にする乳がんリスクを減少できる 睡眠障害はホルモン分泌に影響
- 乳がんになっても入浴を楽しむための環境づくり 〜国が認めた専用入浴着「バスタイムカバー」の生みの親 乳がんサバイバー・加藤ひとみさん〜
- がんになった人とどう関わればいいのか? 「寄り添い方」のヒントが詰まったハンドブック
- ウォーキングなど運動習慣のある人はがんのリスクが低い 大腸がんは14%低下 乳がんは10%低下
- 【若年性乳がんサポートコミュニティ Pink Ring®に聞く】⑵~オンラインイベントの成功に必要なこと~