2018年01月11日

運動を通してQOLを向上! キャンサーフィットネス運動教室 術後1年未満向けのクラスに体験参加

キーワード:ライフスタイル
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どう体を動かせば......退院後のリハビリに不安

 がんの手術や薬物治療、放射線治療の影響で体の機能が落ちたり、損なわれたりすることがあります。以前だと「命が助かったなら、それでいい」「がんになったから仕方がない」と情報を満足に得られなかったり、回復をあきらめたりすることが多かったのですが、近年では、がんになっても、これまでの生活の質(QOL)できるだけ維持するための「がんリハビリテーション」が重要と考えられています。

 乳がんの場合、乳房とわきの下のリンパ節の切除術の影響から、腕があがりにくいなどの肩関節の運動障害、腕や肩のこり、しびれなどが起こります。入院中にはリハビリテーションの指導を受けられても、退院後はどう体を動かしていいか不安を感じている人が少なくないのが現状です。

 2013年に設立された「一般社団法人キャンサーフィットネス」では、フィットネスを通して、がんサバイバーの治療による身体や心の辛さを軽減、QOLの向上、社会への早期復帰をサポートに取り組んでいます。今回は「乳がん術後1年未満の方の運動教室」と「がん術後1年未満の方の安心ジムトレーニング教室」に体験参加してきました。

自分の体を知ることで不安が減り、運動が楽しくなる


東京都渋谷区のスタジオにて行われた
「がん術後1年未満の方の安心ジムトレーニング教室」の様子

 まず参加したのは「乳がん術後1年未満の方の運動教室」。指導してくださるのはコンディショニングトレーナーの倉田祐作先生です。

 受講者が開始前に記入した体調チェックシートに倉田トレーナーが目を通し、全員の健康状態を確認した後、教室が始まります。体をさすったり、叩いたりして温めてから、肩周りから股関節へと無理なく少しずつ関節や筋肉をほぐしていきます。みなさん、腕や体の動かせる範囲はそれぞれですが、倉田トレーナーは全員の状態を確認しながら、それぞれに合わせて負荷を調整してくれたり、アドバイスをしてくれたりするので、安心して体を動かすことができます。後半には、ゴムのバンドを使った肩関節周辺のインナーマッスルトレーニングや体幹の筋肉トレーニングも行いました。

 ゆったりとしたペースで、静かな動作だったにもかかわらず、汗もしっかり書いて関節や筋肉をよく動かした実感がありました。

 続いて「がん術後1年未満の方の安心ジムトレーニング教室」に参加。こちらは「乳がん」のクラスより少しペースアップした内容で、筋肉や関節を念入りにほぐした後は、ラットプルダウンやレッグプレスといったジムのマシン、有酸素運動などを組み合わせたサーキットトレーニングを行います。

 この教室でトレーニングマシンを体験することで、自分でジムに通うようになった参加者もいるそうです。


ジムのトレーニングマシンの使い方を指導する倉田トレーナー

「『不安だから動かせない』という方が多いと思いますので、『乳がん』のクラスでは、動かしていい筋肉や関節に実際に触りながら、『ここは大丈夫ですよ』と自分の体をイメージしてもらうようにしています。ご自身で大丈夫な範囲を理解していれば不安も減りますし、運動する楽しさが増えて回復も早まるかと思います」(倉田トレーナー)

 キャンサーフィットネス運動教室では、ほかにもヨガやピラティス、ウォーキング教室、チアダンス教室など、様々なプログラムがあります。

■参考
一般社団法人キャンサーフィットネス

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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