生涯で2人に1人ががんにかかる時代。長期化、高額化する治療費など、がん患者やサバイバーは、経済的な面で不安を抱えている人も少なくありません。がん経験者から「がんとお金の問題」について多くの相談を受けている、看護師でありファイナンシャルプランナー(以下FP)の黒田ちはるさんに「がん経験者のお金の悩み」についてお話をうかがいました。
経済的な不安のため、治療に専念できない人も
FPになる前、黒田ちはるさんは総合病院の外科病棟やがん専門病院などで看護師として計10年間勤務してきました。そんな黒田さんがFPを志すきっかけとなったのは、看護師時代に出会った患者さんたちが、経済的な不安を理由に治療に専念できない様子を目の当たりにしたことでした。そして結婚を機にナースの仕事を休み、FPの資格を取得したそうです。 当時は看護師として勤めていた病院の中で、がん患者さんのお金の相談にのりたいと考えていた黒田さん。しかし家計相談が必要なのは所属する病院だけでなく全国の患者さんであり、全国の病院でのしくみづくりが必要だと考えたため、病院から離れ、看護師としての知識や経験を活かしながらFPとして2016年に独立、がん患者さんのお金の相談を受けています。 「ご存じのように、がん治療はどんどん進化して、入院期間よりも退院後の通院期間のほうが長くなっています。退院してしまうと、どこに相談していいのか困ってしまう人が多いです。お金の悩みも同様で、相談支援センターなど、病院内に相談できる窓口がありますが、家計については対応していません。。『生活の中にがん治療がある』そうした人たちのお金の悩みを解決する助けがしたいと考えています」(黒田さん)働き盛りや子育て世代の悩みは、より大きく
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