乳がん体験者のリハビリとして行うハワイアン・フラが「キャンサーフラ」として全国的に広まりつつあります。ご自身も乳がん経験者で「キャンサーフラ」のパイオニアとして活躍されている、フラ講師の草野朋子さん(「フラ・オハナ・プアナニ・キエレ」主宰)に、「キャンサーフラ」を始めたきっかけから、現在の取り組みまでお話をうかがいました。
渋谷で行われたキャンサーフラのレッスンで指導する
「フラ・オハナ・プアナニ・キエレ」主宰の草野朋子さん
再発の不安、ざわめく心をフラが救ってくれた
草野さんがフラを習い始めたのは手術から4ヶ月たった2009年2月。それまでは仕事と育児に精一杯で趣味も特になかったけれど、入院中に同室だった患者さんからフラを習っていた時の写真を見せてもらったのをきっかけに「やりたい」と思ったのだそうです。 「習い始めて半年後に発表会があったのですが、華やかな衣装を身につけて、初めて人から拍手をもらうという経験に、それまでモノクロだった世界がカラーになったような気がしました」 それからは、再発の不安に飲み込まれそうになるとフラの練習に打ち込んだ草野さん。2011年にはリンパ浮腫を発症したものの、フラを続けていたら数ヶ月でむくみが自然と治ったそう。 「元に戻すのは難しいということだったので、ドクターは不思議がりながら『フラは心臓より手を上にあげるからいいのかもしれないね』と話していました」 アメリカでは「フラは乳がん経験者のQOL改善に効果がある」と研究が進んでいるのを知り、乳がん経験者にフラの良さを広めたいと考え、インストラクターを目指した草野さん。2012年には資格を取得し、キャンサーフラのクラスをスタート。2014年には独立し、「フラ・オハナ・プアナニ・キエレ」の主宰として、埼玉県北本市にてフラ教室を開校するほか、各地でフラ教室を行っています。キャンサーフラに体験参加
ゆったりとしたハワイアン音楽に合わせて
体を動かしていると、不思議と心が落ち着いてくる
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