2017年06月15日

世界最大のがんサバイバーのためのヨガトレーニングプログラムYoga4Cancer(Y4C)
日本で指導者養成コースとワークショップを開催

キーワード:ライフスタイル
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 Yoga4Cancer(Y4C)とは、アメリカで始まった世界最大のがん患者・サバイバーへのヨガトレーニングプログラムで、がん治療の副作用による影響を軽減し、免疫を高めて心身の回復を促すのに効果的なヨガを教えるための指導者養成コースです。現在までに約1700名のヨガの指導者がY4Cのトレーニングを修了。そのうちの25%は医療従事者です。


ワークショップの始まりに自己紹介をするY4C創始者のタリ・プリンスターさん

 2017年5月、Y4Cの創始者であるタリ・プリンスター(Tari Prinster)さんがアメリカから初来日。東京都品川区にあるスタジオ「BMS R Lab」にて、Y4Cの指導者となるための養成コースを直接指導するほか、2つのワークショップを行いました。

 1つはがん経験者やがん経験者を支えるケアギバーを対象とした「がん経験者のためのヨガを知るためのワークショップ」、もう1つは医療関係者やヨガ、ピラティスなどの指導者を対象とした「がん患者の心身の健康をサポートするヨガのアプローチを学ぶ」です。

 タリ・プリンスターさんは、2000年に乳がんの診断を受けました。手術後の傷が癒えるのと同時にそれまでやっていたヨガの練習を再開、抗がん剤治療、放射線治療中にもヨガを続けていたところ、がんという病気を乗り切るのにヨガが大変有用であると自身の体験を持って強く感じたといいます。それから研究本やリサーチ結果を読み漁り、多くのヨガ指導者や医療関係者と関わり、科学的に立証された事実を集めて、45時間にわたるY4C独自のメソッドを作り上げたのだそうです。2003年からがん患者やサバイバーにヨガを教え始め、2006年からは指導者養成コースを開始し、現在に至ります。


ワークショップでは実際に体を動かしてY4Cのヨガのメソッドを体験する

 Y4Cの大きな特徴は、サバイバーのニーズをきちんと把握して行われるところにあります。特にがん治療における副作用への対処は重要で、指導者はがんの治療法、副作用への知識を身につけることが必要となってきます。

 がん治療の副作用には、関節の可動域の減少や骨量の減少、神経障害などがあり、ヨガの動きによって、ケガをしたり、痛みを伴ったりといったリスクがあります。そこでY4Cではポーズの内容を修正し、安全にクラスが行っています。

 たとえば「猫と牛のポーズ」では、天井を見るようにして背中をしならせる動作がありますが、これは頚椎に負担のかかるポーズなので、Y4Cでは天井を見ずに目線はまっすぐ前をみるというような修正を加えています。

 また、Y4Cでは、免疫系にも影響するリンパシステムや心臓血管機能を向上させるために呼吸を重要視していて、横隔膜の動きを妨げるような前屈姿勢のあるポーズは修正が加えられています。「太陽礼拝」のポーズでも、前屈の部分では補助具としてブロックを使い、前屈は行いません。


体への負担を軽減するためにブロックやボルスターといった補助具を使う

 ワークショップの結びとしてタリ・プリンスターさんは「来年1月にまた来日します。これからも日本のサバイバーやサバイバーの役に立ちたいと思っている人に、Y4Cのメソッドを伝えていきたいです」と語っていました。

 そして「BMS R Lab」では、2017年6月21日に指導したタリ・プリンスターさんが指導したY4C卒業生による「がん経験者のためのヨガクラス」を行います。詳しくはクラス・ワークショップスケジュール&お申込み(Y4Cホームページ) から。

■協力
Yoga4Cancer(Y4C)

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなど

(日本医療・健康情報研究所)

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