抗がん剤の副作用で、爪が黒ずんだり、もろくなったりするので、多くの乳がん患者さんはこのような爪のダメージをネイルカラーで隠すことが多いです。乳がんになったことで、ネイルカラーを始めたという声もよく聞きます。
しかし、ネイルカラーを塗ると弱った爪にさらに負担をかけてしまうと不安を感じる人も多いようです。
ネイルカラーは爪に良いの?
また、ネイルカラーや除光液は、アセトン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチルといった有機溶剤が含まれるものが一般的で、頻繁に使用した場合、爪に悪影響が出ることがあります。使用の際に発生する有機溶剤の刺激臭によって、吐き気などの体調の悪化を招く場合も。
抗がん剤の副作用で弱った爪には、なるべく負担をかけないよう有機溶剤を含まない水溶性のネイルカラーがおすすめです。
ネイルをあきらめないで 爪にやさしいおしゃれなネイルカラー
爪のダメージを隠すために使用するネイルカラー、はじめる理由は「隠すため」だとしても、好きな色、おしゃれなパッケージのものなど、自分好みのものを選ぶことで、おしゃれ感覚で楽しめ、気分も明るくなります。
最近は、水溶性のネイルカラーなど、身体にやさしいおしゃれなグッズは近年増えてきています。
1751年創業、日本最古の絵具屋である上羽絵惣も、身体にやさしいグッズ販売をしている会社の1つで、有機溶剤を含まない水溶性のネイルカラー「胡粉ネイル」を販売しています。
「胡粉ネイル」はホタテ貝の貝殻の微粉末から作られる日本画の顔料「胡粉」を利用しており、溶剤には水を使用。水溶性なのでネイルカラーを落とすのも有機溶剤の入った除光液は使わずに、消毒用アルコールで落とすことが可能です。
有機溶剤が入っていないため、刺激臭は無く、速乾性があり、圧迫感の無い軽い塗り心地で、リピーターも多くいます。一般のネイルカラーに比べ、剥がれやすいという特徴もありますが、爪の状態によっては、何日も塗ったままにすると落ちにくくなる場合もあるので、2〜3日を目安に落とすのがおすすめです。
胡粉ネイルが誕生したのは、7年前。10代目社長の妹である石田結実取締役が「絵具屋として培ってきたノウハウを生かして、爪や体に優しく、環境にも優しいネイルカラーを作りたい」と発案したことがきっかけとなり開発がスタートしました。 日本の伝統色を表現した「和色シリーズ」をはじめとした計36色のカラーバリエーションがあります。
「抗がん剤治療中の患者さんが来店してくださったことがあります。これまでネイルを敬遠してきた方や、ネイルをしたくてもできなかった方に使っていただければうれしいです」と店長の西村由美子さん。
■取材・文/瀬田尚子 出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。関連ニュース・トピックス
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