退院後から本格的に始まる乳がん治療は、「時間がかかること」「通院の頻度が高いこと」が特徴で、特に就業している人にとっては大きな負担となっています。また治療が終わってからも、定期検査は必要です。定期検査では問診や視触診、年1回はマンモグラフィやエコー検査を行います。乳がんは手術後5年あるいは10年過ぎてからも再発することがあるので「もう時間がたったから」と自己判断せずに、必ず検査は受けましょう。
治療後も、経過観察のために
3ヶ月から1年ごとの定期検査は必要
乳がんは手術が終われば、それで治療が終わりというわけではありません。退院後に術後の放射線療法や薬物療法(ホルモン療法、抗HER2療法、化学療法)などが始まるため、通院が必要になります。例えば、薬物療法で通院に要する時間は、様々な待ち時間などを含めると半日がかりになってしまうなど、乳がん治療の通院は「時間がかかること」「通院の頻度が高いこと」が特徴です。
また、がんの性質や進行の具合によって、ホルモン療法だけの人もいれば、放射線療法に加えて複数の薬物療法を行う人もいるため、全体の治療期間の長さは人それぞれですが、いずれにしろ就業している人にとっては、特に大きな負担になっているのが現状です。
地域によっては土日や夜間のがん診療に対応する病院もあります。また場合によっては、通勤地や居住地に近い病院に転院するといった方法をとることも可能です。
放射線療法 | ホルモン療法 | 抗HER2療法 | 化学療法(抗がん剤治療) | |
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1回の所要時間 | 照射時間1~2分 | 注射は5分程度 | 60分(週1回の場合)、もしくは90分(3週に1回の場合) | 約1時間 |
頻 度 | 毎日(週5回) | 4週もしくは12週に1回 | 週1回、もしくは3週に1回 | 週1回、もしくは3週に1回 |
回 数 | 25回 | ― | ― | ― |
期 間 | 5週間 | 2~5年 | 1年間 | 3ヶ月~5ヶ月間 |
経過観察のために3ヶ月から1年ごとの定期検査は必要です。定期検査では問診や視触診、年1回はマンモグラフィやエコー検査を行います。最初は3ヶ月ごとだった検査が、6ヶ月間隔になり、5年が過ぎたら1年間隔になるのが一般的です。
乳がんは手術後5年あるいは10年過ぎてからも再発することがあります。「もう時間がたったから」と自己判断せずに、必ず担当医の指示に従って検査を受けてください。
ちょっと一言!
それまでの定期検査では、「検査を予約する、検査を受ける、結果を聞きに行く」と、年に一度ですが、最低3回は通院しなければいけませんでしたが、担当医がかわって「早めに日程を決めてくれれば、1日でマンモグラフィとエコー検査をやって、結果もすぐに出せるわよ」と新たに提案してくれました。
もしかしたら、検査の通院回数や時間の短縮ができるかもしれないので、試しに担当医に相談してみるのもいいかもしれません。