がん治療と仕事の「両立支援」を考える~産業保健師の乳がん経験~

No.2 検診~がん告知 「胸にできものがあるようです」  

横山 淳子 パナソニック健康保険組合 保健師
(2019年09月)
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検診~がん告知

 2年前の12月、私は、午前半休をとり、某健診センターで乳がん検診(マンモグラフィーと乳腺エコー)と子宮頸がん検診を受けました。

 会社の助成金が出るおかげで乳がん検診、子宮頸がん検診は毎年受けています。今年は、北斗晶さんや小林麻央さんの報道もあり、女性社員の関心が高く「最近は、マンモグラフィーに加えて乳腺エコーも受けた方がいいみたいよ」と同年代の社員から話を聞くことも多く、私もオプションで乳腺エコーを受けることにしました。

 「体験して社員に伝えていこう」というちょっとした向学心といえば聞こえはいいですが軽い気持ちで受けました。

 ちなみに某健診センターは女性専用でエステサロンのような雰囲気で医療器具があるように思わせない検診しながらちょっぴり得した気分になるプチ贅沢感が楽しめるところです。

 スタッフも全員女性ということもあり人気があることから受診者が多いのですが、プライバシーもしっかり守られ、更衣室も時間差で通してくれるなどの配慮がされており、さらにリラックスして受けられます。最近はこのような健診センターや病院が増えてきたように思います。

「胸にできものがあるようです。」

 さて、とっても優雅な気分でちょっぴり痛いマンモグラフィーを終え、乳腺エコーを受けました。放射線技師の方がとても念入りに見てくださり、なんとなく何かあるのかなと思っていると「胸にできものがあるようです。今日は時間、ありますか?料金はかかりますが、○○病院の乳腺外科の先生が来ていますのでぜひ結果説明をお受けください。」と勧められました。

 私は心の中で「なるほど、こんな時はできものという表現をするんだ」と思いながら、結果説明をお願いしました。

 乳腺外科の先生は、30歳前後くらいの若い方でしたが、落ち着いた口調で、とても丁寧に説明してくださり、ほぼ確実にがんであること、最悪の場合も覚悟するように言われ、その場で週明け月曜日の外来に予約を入れてくださいました。

 この時ばかりはいつも仕事優先にしていましたが先生の言うとおりに予約をお願いしました。今まで気づかなかったのかと聞かれたのですが、思えば自分のことにかまっている暇もなく過ごしていたとその時に気づかされました。走っていたところに急ブレーキをかけられたような衝撃でした。

告知後の心のケア

 その後、別室に案内され、白くて大きなリクライニングの椅子に座り、告知後の心のケアを看護師から受けました。今の気持ちの確認、精密検査から手術までの今後の予定。まずは精密検査を受けること、色々な情報に踊らされてはいけないこと、病院の医療スタッフを信じて治療していくように言われました。

 もし病気のことが気になるようであればと「患者さんのための乳がん診療ガイドライン―金原出版」の本を勧めてくださいました。

 私も動揺していましたがスタッフの方も動揺されていたのか子宮がん検診の案内を忘れてしまわれ、「まだ受けていないのですが・・・。」と申し出てすべての検診が終了しました。健診センターを出た後、すぐに職場に連絡し精密検診の予定になった旨を伝えました。

検診~がん告知 まとめ

<検診>
●女性専用の健診センター
最近の健診センターは受診しやすいように気持ちのいい空間を演出している。乳腺エコー、マンモグラフィー、子宮がん検診を受診。

<がん告知(ほぼ確定という段階)>
●放射線技師から
乳腺エコー時の放射線技師からの「胸にできものがあります」
専門医からの当日説明を薦められる。
●医師から
乳腺エコー、マンモグラフィーの結果説明。「覚悟してください」週明けすぐの外来受診の手配。走っていたところに急ブレーキをかけられたような衝撃。
●看護師から
別室に通される
(気持ちの確認、今後の治療で想定されることの説明、情報に惑わされないように)
看護師から勧められた本:患者さんのための乳がん診療ガイドライン‐金原出版

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