2019年05月30日

低脂肪ダイエットが乳がんによる死亡リスクを低下 食事改善はすべての女性に恩恵をもたらす

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 低脂肪ダイエットを続けた女性は、乳がんの死亡リスクが低下することが新たな研究で明らかになった。「食事改善は誰でも安価に取り組める効果的な手段」と研究者は強調している。

5万人弱の女性を8.5年間追跡して調査

20181031-5.jpg  乳がん治療はこの数十年間で確実に進歩しており、抗がん剤による治療も、手術による治療も改善されている。適正な治療を行えば、乳がんの生存率は高い。一方で乳がんでは、比較的早期からごく小さな転移が起こりやすいことが知られている。転移を防ぐための治療が必要とされている。

 心筋梗塞の予防のために医師が推奨している低脂肪ダイエットは、乳がんによる死亡リスクを減少させるのにも効果的という研究が、5月にシカゴで開催される米国臨床腫瘍学会の会議で発表される。

 今回の研究は、閉経後の女性の健康上の問題を予防・治療するための詳しい情報を得るために、米国立衛生研究所(NIH)が16万人以上の女性を対象に実施している「女性の健康イニシアティブ研究(WHI)」の観察研究のデータをもとにしている。

 研究は、ハーバー-UCLA医療センターのLAバイオメディカル研究所によるもの。研究チームは、乳がんを発症していなかった4万8,835人の女性を対象に、低脂肪ダイエットを摂る群と、通常の食事を摂る群に無作為に割り付けし、1993年から1998年にかけて平均8.5年間、追跡して調査した。

低脂肪ダイエットにより乳がんの死亡リスクが35%減少

 低脂肪ダイエットを続けた群は、専門家による食事指導を受け、脂肪摂取量を1日の総カロリーの20%に抑えて、野菜や果物、穀物の摂取を増やした。

 研究終了時に、乳がんの新規発症率は2つの群でほぼ同じだったが、乳がんと診断された女性では、低脂肪ダイエットを続けると全原因による死亡リスクが35%減少した。

 研究終了の17年後にも、低脂肪ダイエットを摂取した女性は死亡リスクが15%減少した。期間を通じて、低脂肪ダイエットを摂った群では通常の食事を摂った群に比べ、乳がんによる死亡リスクが21%減少した。

 さらに低脂肪ダイエットには、乳がんによる死亡リスクを減少するだけでなく、高血圧や高コレステロール、高血糖、腹囲周囲径など改善する効果もあり、多くの恩恵を得られるという。

食事改善は誰でも安価に取り組め効果的

 「食事をコントロールすることで、乳がんによる死亡リスクを低下する効果を得られることが分かりました。大変に興味深い結果です」と、LAバイオメディカル研究所のローワン クレボウスキ氏は言う。今回の研究は、乳がんによる死亡に影響する潜在的な因子を探る目的で行われたはじめての無作為臨床試験だ。

 これまで運動を習慣として行うことで、乳がんにより死亡を抑えられることは知られていたが、今回の研究ではじめて、食事を改善することで効果を得られることが明らかになった。「がん患者にどのような食事指導を行うべきかを決めるために、より多くの研究が必要となりますが、今後のがん治療に影響する成果です」と、同研究所のディビット メイヤー氏は言う。

 食事指導を受けた女性のすべてが、「脂肪摂取量を1日の総カロリーの20%に調整する」という目標を達成できたわけではないが、▼野菜や果物を十分に摂る、▼全粒粉の穀類を摂る、▼脂肪の多い牛肉や豚肉を抑える――といった工夫により、多くの女性は食事を改善できるという。食事改善は誰でも安価に取り組める効果的な手段だ。

 研究チームは今後の研究で、参加した女性の血液サンプルを詳しく調べ、乳がんのリスクを低下させる必要な因子を解明する予定だ。

LA BioMed-led Study Finds Low Fat Dietary Pattern Decreases Deaths from Breast Cancer(LAバイオメディカル研究所 2019年5月15日)
(日本医療・健康情報研究所)

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