2019年01月07日

乳がん患者会「ASHARE(アシェア)」(4)瞑想ヨーガ講師 廣瀬満重さんインタビュー 後編

キーワード:ライフスタイル
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 乳がん患者会「ASHARE(アシェア)」主催の「瞑想ヨーガクラス」を指導する廣瀬満重先生。

 2005年に乳がんと診断を受け、ホルモン療法中の2008年に再発、現在も治療を続けながら、瞑想ヨーガの講師として活躍しています。自分と向き合う時間を持ち、心を穏やかにしていく「瞑想ヨーガ」と出会い、廣瀬先生自身も「すごく楽になった」といいます。

 ヨーガとの出会いから、不安な気持ちとの接し方など、廣瀬先生にお話をうかがいました。

再発しても、人生は続いていく

――――――フルタイムの勤務や治療もある中、ヨーガ講師をなさるのは大変なのではと思うのですが

 今日は、ホルモン療法の副作用で胸骨が痛くて大変でしたが、クラスが始まったらもう痛みを忘れてしまいました。参加者のみなさんと一緒にいる時間は楽しいですし、役割があるというのは励みになります。

 多くの人は「乳がん=死ぬ病気」だと思っていますし、再発したらそれで終わりと短絡的に考えていますが、決してそんなことはありません。私のように、こうして何年も命をつなぐことはできますし、折り合いをつけながら普通の生活ができるんです。普通の事務の仕事をしていた私ですが、「ASHARE」のみなさんの助けをいただきながら、「再発しても、こんなことができています」と伝えられればいいなと思っています。

 初発の人の中には、「もしかして再発するのでは」という不安だけで、何もできなくなって籠もってしまう人もいると聞きましたが、あまりにもそれはもったいないです。再発したら、またそこから新しく治療が始まり、人生は続いていくんです。

――――――「あたたかい気持ちになれる」と、廣瀬先生のブログにはファンが多いとうかがいました

 ブログを始めたのは、私がいつまで生きられるのかがわからないと思い、当時まだ中学生だった息子に大きくなってから見てもらって、「お母さん、こんなことを考えて治療をしていたんだよ」と伝えられればいいなと思ったからです。でも、もう息子も大学生で、思いの外長生きしていますが(笑)。読んでくださる方に何かおすそ分けできればと、我が家の恥をさらしているわけですが、お役にたてているのであれば、うれしいです。

肩の力を抜いて胸を開くと、気持ちも前向きに

――――――ヨーガクラスの最後にキールタン(讃美歌)を歌うというのが、とても新鮮でした

 歌うというのは気持ちのいいものですが、乳がんの患者さんにとっては、歌うことで胸を開くというのがいいのだと思っています。どうしても胸に傷があるので、背中が丸くなってしまう。電車の中や人混みで、誰かにぶつかられたらどうしようと考えてしまう。でも背中が丸くなった状態では、どうしても「元気です!」とは言えないんですよ。逆に胸を開いた状態だと「元気ありません」と言ってもなかなか信じてもらえない(笑)。

 クラスで深い瞑想の後にキールタンを歌うと、涙を流す人もいます。きっと出るべくして出るのかなと感じています。

――――――最後に、乳がん経験者のみなさんにメッセージをお願いします

 不安な気持ちになると背中が丸くなり、呼吸が浅くなってしまいますから、まずは肩の力を抜いて、胸を開いて、口角を上げる。それだけでも大きく変わりますよ。

 治療のこと、副作用のこと、今後のこととか、考えるときりがないし、時間はあっという間にたってしまいます。私もこれまでいろいろな治療をしてきて、全てが正解だったかどうかはわかりませんが、最善、最良の選択をしてきたと思います。今を大切に過ごしてほしいです。

■参考
乳がん患者会「ASHARE(アシェア)」
廣瀬先生のブログ「ロッキングチェアに揺られて」

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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