2018年12月25日

乳がん患者会「ASHARE(アシェア)」 (3) 瞑想ヨーガ講師 廣瀬満重さんインタビュー前編

キーワード:ライフスタイル
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 乳がん患者会「ASHARE(アシェア)」主催の「瞑想ヨーガクラス」を指導する廣瀬満重先生。

 2005年に乳がんと診断を受け、ホルモン療法中の2008年に再発、現在も治療を続けながら、瞑想ヨーガの講師として活躍しています。自分と向き合う時間を持ち、心を穏やかにしていく「瞑想ヨーガ」と出会い、廣瀬先生自身も「すごく楽になった」といいます。

 ヨーガとの出会いから、不安な気持ちとの接し方など、廣瀬先生にお話をうかがいました。

とりあえず迷ったらやる 飛び込んだヨーガの世界

――――――ヨーガ、そして瞑想ヨーガを始めたきっかけは?

 2006年11月、家の近くにホットヨガスタジオができまして、手術から2年近く経つので、ちょっと体を動かしてみようと行ってみました。隣の人と比べて全然できない自分を情けなく感じたのですが、「自分と向き合うことが大切なのであって、できる・できないは問題じゃない。とにかく人とは比べない」と先生がおっしゃったのが心に残って、ヨガを続けています。

 中でも転機になったのは、Uttal yoga & healing school(ウタール ヨーガ・ヒーリングスクール)主宰で、ホットヨガスタジオLAVAの創業インストラクターだった椎名慶子先生の瞑想のCDとの出会いでした。2013年のことです。声がとても心地よくて「この人に会いたい」って思ったんです。そして2014年に椎名先生が初めて沖縄の久米島でリトリートを行うことを知り、家族の了解を得て、思い切って行ってきました。

 元気な人たちの中に入って大丈夫だろうか、具合が悪くなったらどうしようといった不安もあったのですが、「何かに直面した時には常にこれが最後かもしない」と思っているので、とりあえず迷ったらやることにしています。

 2016年には、20代、30代のインストラクターさんに混じって、椎名先生の瞑想ヨーガ講師養成コースに参加し、なんとか修了することができました。その際、椎名先生に、いつか患者さんたちにお伝えできたらいいな、と話したところ、「やってください」とおっしゃって。

 とはいえ、フルタイムで働いていて、なおかつ治療もあるので、自分で場所を借りたり、管理したりは難しいと感じていたところ、ASHAREさんが機会をくださって。今年1月からクラスを持たせていただいています。

過去はやりなおせないし、未来はわからない だから今が大事

――――――瞑想ヨーガと出会って変わったことは?

 乳がんになって、その後再発もしましたし、治療では1%程度の確率のまれな副作用も出てしまうほど、薬に対する感受性が高くて、それなりにいろんなことがあって、その都度落ち込むんですが、まだ死にたくないから仕方なく治療を続けてきました。でも瞑想ヨーガと出会って、本当に気持ちが楽になりました。

 今は落ち込んでも穏やかな気分に戻ってこられる。「できることをやろう」って切り替えることができるんです。病状としては進行しているし、使える薬も限られてきている。今後のことを思うと「不安がない」といえば嘘になります。

 それでも、強がりではなく、割と心は凪いでいます。

 がんになると心は不安で大きく揺れ動き、それが苦しいという人も多いでしょう。でも未来のことは私たちにはわからないし、「あの時、ああしていれば良かったのでは」と過去を後悔しても、やりなおすことはできません。どうにもならないことを考えたって時間がもったいない。

 今、自分に何ができるのか、何に集中できるのかが大事なのだと思います。「一所懸命やったら、あとは委ねる。そうすれば、不思議とうまくいくようにできている」というヨーガの教えがありますが、私もそう思うようになってからすごく楽になりました。

■参考
乳がん患者会「ASHARE(アシェア)」
廣瀬先生のブログ「ロッキングチェアに揺られて」

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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