2018年08月22日

自分の健康は自分で創る 市民が主体となった健康づくりを(2)自分で納得して情報を使う!

キーワード:ライフスタイル
  • twitterでつぶやく
  • 乳がん治療と乳房再建の情報ファイル

インターネットの時代、本当に必要な情報を見つけるには

 時代とともに、インターネットやテレビ、雑誌などメディアからの健康情報があふれ、市民が自分に適した健康情報は何かを見極めることにますます難しくなってきたと考えられます。

 そこでPCC実践開発研究部では、単に情報を収集できる場所でなく「適切な情報はどこにあり、どのような視点で健康情報を見極めたらよいのか」というヘルスリテラシーを上げる取り組みをしようと、2013年度から3年間、文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成事業の助成を得て、市民のヘルスリテラシー教材の作成に取り組むことになりました。

 「ヘルスリテラシー教材を作成するにあたり、まず『るかなび』に来ている人が、どのように健康情報を探しているかを調査しました。そこで分かったことは、自分自身で情報を集めたり、調べたりというよりは『テレビ番組やインターネットでたまたま見かけ健康情報や、人から聞いた健康情報に注目する』という場当たり的に情報を得ている人が多いことがわかりました。

 そこで、私たちは、ヘルスリテラシーの最も基礎的な健康情報を『入手する(集める)力』『理解する力』という部分に焦点をあてて、eラーニング用の動画教材を作ることにしました」(高橋准教授)

 作成した教材はeラーニング教材で終わらず、2015年から動画教材を用いた参加型の「ヘルスリテラシー講座」として応用し開催しています。講座の意義を示すためにも、講座を受ける前と受けた後に参加者の意識がどのように変化するのかという調査が行われています。また、ピープル・センタード・ケアの目的に沿って、講座を受講した市民に、次はスタッフメンバーとして一緒に参加する呼びかけをし、現在は市民と専門職がともに運営をしています。


聖路加健康ナビスポット「るかなび」がある
大村進・美枝子記念 聖路加臨床学術センター

きちんと情報を評価し、自分の責任で選択する

 ヘルスリテラシー講座を行う上で、PCC実践開発研究部として大切にしているのは「自分で納得して情報を使う」ことだといいます。

 「例えば、いつ書いたのかわからない、発信者が一般の個人だとしても、そのことを理解した上であれば、その情報を活用するかどうかの最終的な判断は本人の選択だと思っています。私たちは、けして『エビデンスが書かれていない』情報を、選んで活用してはいけないとは言いません。

 エビデンス(根拠)が示されていなくても、まだ研究の蓄積が十分されていないだけかもしれません。重要なのは、自分が手にした情報が「どのような情報なのか」をまず知ること、そしてどのような情報なのかを理解した上で、自分が納得し、最終的には自分の責任で選ぶことだと思っています」(高橋准教授)

 自分で情報を集め、その情報を理解し、納得した上で選択・活用することができれば、『病院任せ』の状態から、市民・当事者主体となり、「市民のパートナーとしての医療従事者」という関係をつくることができるでしょう。自分で自分の健康を創るために、ヘルスリテラシーを身につけることが求められています。


「るかなび」で健康相談に対応するナースマネージャーの中村めぐみさん(左)、
髙橋恵子准教授(中央)、
ヘルスリテラシー講座をともに運営する図書館司書の佐藤晋巨さん(右)

※2018年11月24日、12月1日にヘルスリテラシー講座が行われます。詳しくはWEBサイト をご覧ください

■参考
・聖路加健康ナビスポット「るかなび」
東京都中央区築地3-6-2
大村進・美枝子記念 聖路加臨床学術センター1階
TEL 03-6226-6390
月〜金曜 10:00〜16:00

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

関連ニュース・トピックス

ニュース・キーワード

ニュース・トピックス
オピニオン
働く女性と乳がん -がん治療と乳房再建のいま-
辻 直子(セルポートクリニック横浜院長、杏林大学形成外科非常勤講師 )
がんと就労~本人と職場を支える産業看護職のより良い支援とは~
錦戸 典子(東海大学大学院健康科学研究科)
病気になっても仕事を続けるための支援
荒木 葉子(荒木労働衛生コンサルタント事務所)
乳がんとともに生きる人を理解する
青木 美保(帝京大学医学部附属病院 帝京がんセンター 認定遺伝カウンセラー)
キチンと手術・ホンネで再建(KSHS)~乳がんぶっちゃけ話~
溝口 綾子(一般社団法人KSHS 代表 )
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のいまとこれから
中村 清吾(昭和大学医学部 外科学講座乳腺外科学部門教授、 昭和大学病院ブレストセンター長)
がん治療を楽にする口腔ケア
百合草 健圭志(静岡県立がんセンター 歯科口腔外科部長)
人工乳房製作者「ブレスト・アーティスト」について
林 かおり(ブレストケア京都株式会社 代表取締役社長)
「がんと就労」広がる病院内での就労相談
近藤明美 (近藤社会保険労務士事務所)
イベント・セミナー情報
11月17日(土) 新潟県
患者さん・一般の方向け
がん治療と就労 両立支援セミナー
11月17日(土) 三重県
患者さん・一般の方向け
第58回あけぼのハウス三重「ヨガ講座」
11月17日(土) 愛媛県
患者さん・一般の方向け
医師・医療スタッフ・保健師向け
がん哲学外来 坂の上の雲 暖だんカフェ
11月17日(土) 東京都
患者さん・一般の方向け
第4回男性乳がんの会メンズBC
11月18日(日) 宮城県
患者さん・一般の方向け
Pink Ring【東北branch】【Cancer Share Time―若年性乳がん体験者と支援者が語り学ぶ1日―】
トップページ 治療と乳房再建の基礎知識 乳がんと診断されたら 乳がんの治療について 乳房再建について 治療と仕事 医療費・制度 乳がん患者会 全国マップ ニュース・トピックス イベント・セミナー情報 オピニオン アンケート 調査・統計 このサイトについて お問い合わせ