2018年08月03日

自分に必要な健康情報を選び、活用する力を!ヘルスリテラシーを身につける(1)〜ポイントは「いなかもち」〜

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ヘルスリテラシーとは?

 インターネットやテレビ、雑誌など、私たちの周りはさまざまな健康情報であふれています。そうした中、いったいどの情報が「自分にとって必要なのか」「信頼できるものなのか」を、すべての人がきちんと判断できているかというと、なかなか難しいのが現状です。このように健康情報を見つけ、理解し、それを評価した上で、利用する能力をヘルスリテラシーといいます。

 市民のヘルスリテラシーを向上させるための教材を開発・研究している聖路加国際大学研究センターPCC実践開発研究部では、2016年度から一般を対象とした、健康情報の探し方・選び方・使い方を学ぶ「ヘルスリテラシー講座」を開催しています。


ヘルスリテラシー講座で使用された「eラーニング用映像教材」

 「ヘルスリテラシー講座」では、eラーニング用に開発された映像教材を使った参加型の講座を行っています。また、講座の意義を示せるよう、受講前と後、そしてさらに1ヶ月後において受講者のヘルスリテラシーがどのように変わったかをアンケート調査しています。この講座で紹介されたヘルスリテラシーを高めるためのポイントをご紹介します。

健康情報を見極めるポイント「いなかもち」

 実際に見つけた健康情報が信頼できるものかを見極めるのに役立つポイントを覚えやすく語呂合わせしたのが「いなかもち」です。


ヘルスリテラシー講座で配布している「いなかもち」カード

「い」は、「いつ書かれた情報なのか」

 医療は進化していきますので、治療法などの情報はすでに新しいものに変わっている可能性があります。本であれば奥付(一番最後のページ)、まえがき、あとがきを、インターネットなら、情報が掲載されているページの日付の部分や更新履歴を確認しましょう。

「な」は「何のためにその情報が発信されているのか」、「か」は「書いた人は誰か」

 メディアの種類に関わらず、単なる宣伝のために発信されている情報が多くありますし、インターネットであれば、行政や専門家、企業や個人などいろんな背景を持つ人が書いたものが同じように検索結果として出てきます。本のまえがきやあとがき、WEBサイトであれば「媒体概要」を、さらに著者の略歴や他の著作物、出版社やWEBサイト運営者の情報を確認することで、その記事が書かれた目的が見えてきます。

「も」は「もとネタは何か」

つまりその情報の根拠を確認します。情報の中には、きちんとした根拠のない個人的な意見が書かれているものもあります。統計データや参考文献の情報があるかどうかを見ていきましょう。ここで気をつけてほしいのは、引用されている参考情報やデータに偏りがないかということです。例えば同じ人の研究や著作ばかりが参考文献の欄に並んでいるもの、都合のいいデータばかりを根拠としているものもありますので、きちんと確認しましょう。

「ち」は「ちがう情報と比べる」

 「1つの情報だけで『良い』『悪い』を判断しがちですが、複数の情報を比較することで、それまで見えてこなかったさまざまな側面が見えてきます。比較に時間を要しますが、納得の得られる情報の選択のためには重要なことです」(聖路加国際大学研究センターPCC実践開発研究部 高橋恵子准教授)

 健康情報を見極めるポイント「いなかもち」、ぜひとも実践してみてください。

 ※2018年11月24日、12月1日にヘルスリテラシー講座が行われます。詳しくはWEBサイト をご覧ください

自分に必要な健康情報を選び、活用する力を!ヘルスリテラシーを身につける(2)〜「全体の数を意識する」ことを忘れずに〜 へ続く

■参考
聖路加国際大学 ヘルスリテラシー学習拠点プロジェクト

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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