2018年05月31日

金沢にもマギーのような場所がほしい! 〜「元ちゃんハウス」ができるまで(1)〜

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「元ちゃんハウス」を運営する NPO法人「がんとむきあう会」理事長の西村詠子さん

---------------- 2016年12月1日に石川県金沢市に誕生した「元ちゃんハウス」。イギリス発祥のマギーズセンターのような「がんを抱えた人やその家族・友人を支え、その人らしくいることができる"場"」を作りたいという人々の想いが結実するまでには、様々な出来事がありました。看護師でありNPO法人「がんとむきあう会」理事長の西村詠子さんと、副理事長で歯科医師の綿谷修一さんに、お話をうかがいました。

イギリス・マギーズセンターの生の声と同志との出会いが、大きなきっかけに


「がんとむきあう会」副理事長の綿谷修一さん

 元ちゃんハウスが誕生する大きなきっかけとなったのは、2010年2月に、北陸がんプロフェッショナル養成プログラムの一環として、マギーズセンターCEOのローラ・リーさんとサラ・ビアードさんを招いて金沢市で行われたシンポジウムだったそうです。

 当時、金沢赤十字病院副院長の西村元一さん(西村詠子理事長の夫)と訪問看護師の秋山正子さん(現・マギーズ東京センター長)が、「マギーのような施設を自分たちの街にも作りたい」という想いから尽力され、実現した会でした。

 「このシンポジウムには、がん看護専門看護師の田村恵子さん(現・ともいき京都代表)も登壇してくださり、同じ想いを持ち日本各地で活動しているお三方が一堂に会した最初の機会となりました。ローラさん、サラさんから本場の話をうかがい、『全国にマギーズのような施設を作りたいね』と盛り上がったこの日から、私たちの活動も明確な目標を持って進み始めたのでした」(綿谷修一さん)

西村先生に進行性の胃がん「元気なうちにテープカットを」

 2011年9月には「第1回金沢1日マギーの日」を開催、2013年には「がんとむきあう会」という名称とし、様々なワークショップや講座を開きながら活動を続けてきた矢先、西村元一先生に進行性の胃がんが見つかりました。2015年3月のことです。「治療をしなければ余命半年」といわれた病状でしたが半年ほどの治療を経て、少し回復なさった頃から「がんを経験したドクター」として全国で講演活動を行うようになりました。

 「それまでも4年間、仲間と活動してきたわけですが、がん患者となった西村は『がんがあっても、ひとりの人間に戻れる』そうした支援の場を作りたいという想いをより強くしていました。もう、こちらとしては『No』とは言えませんよね(笑)」(西村詠子さん)

 「なんとか西村先生が元気なうちにテープカットをしてもらいたいというのが、私たちの気持ちで、そこからはもう必死になってがんばりました」(綿谷さん)

 「とにかくやらなきゃいけない。やってから修正すればいい」という西村先生の考えに従い、できるところから形にしていくことに。2015年12月には、がんとむきあう会のメンバー・櫻井千佳さんが料理教室を行う香林坊の町家で、月に2日限定で「金沢マギー」が開設されました。

 2016年3月に「元ちゃん基金」を、6月にはNPOを設立。そこから金沢中心に全国に呼びかけて資金を集めが始まりましたが、わずか3ヶ月で目標としていた700万円に到達したそうです。

「人材はそろっていましたが、資金がこれほど早く集まるとは思っていませんでした。西村先生がそれまで全国200ヶ所以上で講演してきたことや、メディアに多く取り上げられたことで、多くの人に活動を知っていただけたのでは」(綿谷修一さん)

「資金の8〜9割は石川県から集まったことを考えると、やはり県のみなさんがマギーズのような場所が必要だと思ってくださったのが一番だったと考えています」(西村詠子さん)

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金沢にもマギーのような場所がほしい! 〜「元ちゃんハウス」ができるまで(2)〜 

■参考
・元ちゃんハウス
石川県金沢市石引4-4-10 越屋メディカルビル1.3.4階
開所時間:
(1階コミュニティルーム)月曜〜金曜 11:00〜15:00
(3階サロンルーム[金沢マギー])第1土曜、第2・4火曜13:00〜16:00

NPO法人「がんとむきあう会」
tel&FAX 076-232-5566

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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