2018年04月05日

PiF代表・木全裕子さんインタビュー(1) 〜乳房再建までの道のり〜

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―――――乳がん体験者の会PiFの代表である木全(きまた)裕子さん。2014年から活動を開始したPiFは、乳房再建を柱に、乳がんを体験した女性たちの情報交換と親睦の場を作り、そのQOL向上のための社会教育活動を行う団体です。

 2009年に乳がんと診断された木全さんが、乳房再建手術を受けるまでの道のりと、その後PiFを立ち上げ、続けてきた活動についてお話をうかがいました。

乳がんの告知と乳房再建、とまどいと悩みの日々

 私が乳がんの診断を受けた2009年当時は、乳腺外科の先生が乳房再建の情報を伝えてくれることは今よりも少ない状況でしたが、私の主治医はきちんと教えてくれました。ただ、私自身が乳がんの治療や乳房再建の情報を持っていなかったため、「全摘して乳房再建する」か「乳房温存手術を受けて、放射線治療をする」か、という主治医の言葉に悩んでしまったのです。

 病期はステージⅠだったので、どちらも選択できたのですが、がんの場所が乳頭の近くだったために、乳房温存手術だと変形が大きくなるということだったので、全摘に決めました。

 次は同時再建か二次再建の選択です。その病院には形成外科がなかったので「同時再建をするなら、他の病院を紹介するけれど、転院する分、手術が遅れてしまうリスクがある」と言われました。二次再建なら、乳がんの手術をしてから2年後ぐらいのタイミングで落ち着いた頃に、という話だったので、二次再建を選びました。

 再建をする病院は、主治医と相談しながら決めようと考えていたのですが、そろそろ検討をと思った頃に主治医が転勤。そして新しい主治医に相談をするも「このあたりの事情は、よくわからない」と言われてしまいました。「もうこれは自分で探すしかない」と再建に向けての病院&医師探しが始まりました。

些細なことで感じるつらさ、乳房再建で解放された

 私は名古屋に住んでいますが、東京で行われた乳房再建の講演会に行き、乳腺外科や形成外科の先生方に話をうかがい、術式や名古屋からの行きやすさも考慮に入れて、四日市の病院に赴任されたばかりの武石明精医師にお願いすることに決めました。

 乳房再建には様々な方法がありますが、私は「寄せて上げて」がしたかったので、自家組織での再建を選びました。武石医師の行う再建手術の中で「MT計量法システム」を使った穿通枝皮弁法での再建をお願いしました。

池山メディカルジャパンとの共同開発よる「MT計量法システム」は、人口乳房製造時の型取り技術を応用し、患者さん本人の乳房からから型をとります。その型を使って、術前に乳房の再建量を計量するほか、左右バランスよく再建するためのガイドとしても利用できます。武石医師の術例の画像はとてもキレイだったことと、誠実な対応にお願いしたいと思いました。

 乳房再建をして思うのは、ストレスが少なくなったということです。乳がんの術後、洗面所で手を洗ったりする時に、鏡に写ったTシャツの首元から胸のないことが自分自身には見えてつらくてしょうがなかった。ネックレスが健側のお胸に寄ってしまうことも。どれも些細なことだし、きっと自分以外の誰も気がつかないようなことなのですが。

 基本的には再建をして良かったと思っていますが、予想外のことも起こります。そのうちのひとつは「おへそがなくなってしまう」こと。お腹の組織を使うので、おへそは新しく作り直さなければなりません。私は縦長のモデルさんぽいおへそを作ってもらいました。

 ほかにも予想外の出来事はあるのですが、それはPiFのブログやイベントでご紹介していきたいと思っています。

■参考
乳がん体験者の会PiF

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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