2017年07月14日

乳がん経験者のリハビリとして、注目される「キャンサーフラ」

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 乳がん体験者のリハビリとして行うハワイアン・フラが「キャンサーフラ」として全国的に広まりつつあります。ご自身も乳がん経験者で「キャンサーフラ」のパイオニアとして活躍されている、フラ講師の草野朋子さん(「フラ・オハナ・プアナニ・キエレ」主宰)に、「キャンサーフラ」を始めたきっかけから、現在の取り組みまでお話をうかがいました。


渋谷で行われたキャンサーフラのレッスンで指導する
「フラ・オハナ・プアナニ・キエレ」主宰の草野朋子さん

再発の不安、ざわめく心をフラが救ってくれた

 草野さんがフラを習い始めたのは手術から4ヶ月たった2009年2月。それまでは仕事と育児に精一杯で趣味も特になかったけれど、入院中に同室だった患者さんからフラを習っていた時の写真を見せてもらったのをきっかけに「やりたい」と思ったのだそうです。

 「習い始めて半年後に発表会があったのですが、華やかな衣装を身につけて、初めて人から拍手をもらうという経験に、それまでモノクロだった世界がカラーになったような気がしました」

 それからは、再発の不安に飲み込まれそうになるとフラの練習に打ち込んだ草野さん。2011年にはリンパ浮腫を発症したものの、フラを続けていたら数ヶ月でむくみが自然と治ったそう。

 「元に戻すのは難しいということだったので、ドクターは不思議がりながら『フラは心臓より手を上にあげるからいいのかもしれないね』と話していました」

 アメリカでは「フラは乳がん経験者のQOL改善に効果がある」と研究が進んでいるのを知り、乳がん経験者にフラの良さを広めたいと考え、インストラクターを目指した草野さん。2012年には資格を取得し、キャンサーフラのクラスをスタート。2014年には独立し、「フラ・オハナ・プアナニ・キエレ」の主宰として、埼玉県北本市にてフラ教室を開校するほか、各地でフラ教室を行っています。

キャンサーフラに体験参加


ゆったりとしたハワイアン音楽に合わせて
体を動かしていると、不思議と心が落ち着いてくる

 乳がん経験者限定のフラ教室「キャンサーフラ」は現在、毎月第2木曜日の13:15~14:45に東京・秋葉原にあるスタジオで行われています(月2000円)。今回は東京・渋谷のスタジオで特別に「キャンサーフラ」を開催するということで、体験参加させていただきました。

 この日の参加者は初めての2名を含めて、計5名。ストレッチの後、基本的なステップを4種類練習したあと、手の動きの練習へ。音楽に合わせて体を動かしていると、ゆったりとした気持ちになっていきます。そして気がつくと体からは汗が。静かな動きですが、フラは体幹を使う運動なのだということを実感しました。

 休憩もこまめに取られますが、「休みたくなったら自由に休んでくださいね」と草野先生がやさしく声をかけてくれます。休憩時間には参加者全員で車座になって自己紹介をしましたが、自然と話は乳がんのことに。

「私も全摘なんです」

「今、インプラントが入っています」

 ご自身の病気のことを穏やかに話すみなさんの姿が印象的でした。

 レッスンの後半は「世界で一つだけの花」のフラに挑戦。1つ1つの動きに意味があるのもフラの興味深いところです。初めて参加したお2人も上手に踊っていました。

 「レッスンにいらしたときは不安そうな方も、帰るときには楽しかったと言ってくれるんです」と笑顔で話す草野さん。

 病気になる前は自分のことばかり考えていたけれど『元気になったら、人の役に立ちたい』と思うようになったそう。乳がんをきっかけに人生観が大きく変わったのだといいます。

「がんはマイナスの経験、でもプラスに変えていけるかどうかは自分次第。引きずっていくよりは、前向きに生きていきたいし、乳がん経験者のみなさんにもそう思ってもらえたらうれしいですね」

■協力
フラ オハナ プアナニ キエレ

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなど

(日本医療・健康情報研究所)

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