2017年07月03日

配偶者ががんになると家計の負担重く 世帯収入が大きく減少

  • twitterでつぶやく
  • 乳がん治療と乳房再建の情報ファイル
 働く年代で配偶者ががんと診断されたり、配偶者が患者のケアを担わなければならなくなると世帯収入が大きく減少し、家計に負担がかかることがカナダで行われた新しい研究で示された。こうした場合には世帯収入が平均で5~9%減少することが分かった。

「今回の調査はカナダの行政データを用いたものだが、研究対象とした夫婦の世帯年収が平均で約10万ドル(約1,105万円)であったことを考えると、1世帯当たり5,000~9,000ドル(約55万~99万円)の減収になる。家計を支える家族がひとりでもがんになると経済的な悩みを抱える要因になりかねないことを示している」と、著者の1人である米ジョージア大学助教授のVincent Pohl氏は述べている。

 世帯収入が減る要因には以下の2通りが考えられる。一方は、がんと診断された患者本人が治療のため、あるいは病状が重いために働けなくなること。もう一方は、世帯収入が減った分を補うために配偶者がさらに働かなければならないか、がんと診断された配偶者のケアのため仕事量を減らさざるを得ないことが挙げられるという。

「今回の研究では、後者の場合、がん患者のケアのために配偶者も仕事を減らさざるを得ず、これが世帯収入の減少の要因となっている」と、Pohl氏は説明している。

 この研究では、配偶者ががんと診断された後、男性の年収は3.5%、女性の年収は6%まで減少することが示された。医療保険の多くは家族の介護までは保証しておらず、家計が影響を受けやすい背景のひとつになっていると、同氏らは指摘している。

 同氏は「所得保障保険(disability insurance)は加入している本人が病気やけがで働けなくなった時の収入を保証するもので、家族が患者の世話をするために職を失ったり、労働時間を削る可能性までは考慮されていない」とし、病気になった患者本人だけでなくケアをする家族を含めて生活全般を守れるように制度を整えていく必要があると強調している。

 この研究結果は「Journal of Health Economics」2017年3月号に掲載された。

記事原文 [HealthDay News 2017年4月27日]

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
論文アブストラクト

おすすめイベント

関連ニュース・トピックス

ニュース・キーワード

ニュース・トピックス
オピニオン
働く女性と乳がん -がん治療と乳房再建のいま-
辻 直子(セルポートクリニック横浜院長、杏林大学形成外科非常勤講師 )
がんと就労~本人と職場を支える産業看護職のより良い支援とは~
錦戸 典子(東海大学大学院健康科学研究科)
病気になっても仕事を続けるための支援
荒木 葉子(荒木労働衛生コンサルタント事務所)
乳がんとともに生きる人を理解する
青木 美保(帝京大学医学部附属病院 帝京がんセンター 認定遺伝カウンセラー)
キチンと手術・ホンネで再建(KSHS)~乳がんぶっちゃけ話~
溝口 綾子(一般社団法人KSHS 代表 )
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のいまとこれから
中村 清吾(昭和大学医学部 外科学講座乳腺外科学部門教授、 昭和大学病院ブレストセンター長)
イベント・セミナー情報
07月27日(木) 兵庫県、岡山県
患者さん・一般の方向け
第15回日本臨床腫瘍学会 学術総会「患者・家族向けプログラム」
07月27日(木) 広島県
患者さん・一般の方向け
呉医療センター・中国がんセンター 乳がんサロン「薬の副作用について」
07月29日(土) 東京都
患者さん・一般の方向け
キャンサーフィットネス 2017年 がんサバイバーのための減量と栄養の勉強会 第4回 調味料の使い方・お料理教室
07月30日(日) 宮城県
患者さん・一般の方向け
第8回 NEXTSURG 市民公開講座 「乳がんを知ろう」
08月01日(火) 東京都
患者さん・一般の方向け
聖路加国際病院 がんの治療と仕事を両立するためのグループ 就労 Ring 2017
トップページ 治療と乳房再建の基礎知識 乳がんと診断されたら 乳がんの治療について 乳房再建について 治療と仕事 医療費・制度 乳がん患者会 全国マップ ニュース・トピックス イベント・セミナー情報 オピニオン アンケート 調査・統計 このサイトについて お問い合わせ