2017年05月31日

がんとお金、活用したい公的制度Part2
〜医療費が高額になったときに使える制度〜

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 各制度の概要をご紹介

 制度内容は複雑ですので、概要を簡単に記します。細かい条件等については、相談先に問い合わせることをおすすめします。

高額療養費制度......医療費が高額になったとき

 同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。

 過去1年間で高額療養費として払い戻しを受けた月が3月以上あった場合、4月目からは自己負担限度額が引き下げられる「多数該当」や、同じ世帯で加入している公的保険が同じ場合は合算することができる「世帯合算」という仕組みがあります。

(自己負担限度額)
 自己負担限度額は、標準報酬月額と年齢によって設定されています。

 標準報酬月額とは、基本給のほか、役付手当、通勤手当、残業手当などの各種手当を加えたひと月あたりの支給額を区切りのよい幅で区分したものです。

70歳未満の自己負担限度額
標準報酬月額ひと月あたりの自己負担限度額多数該当
83万円〜 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%140,100円
53万~79万円167,400円+(総医療費-558,000円)×1%93,000円
28万~50万円80,100円+(総医療費-267,000円)×1%44,400円
〜26万円57,600円44,400円
住民税非課税者35,400円24,600円

 とはいえ、一時的にも高い医療費を払うのは難しいという人のため、いくつか活用できる仕組みがあります。

限度額適用認定証


70歳未満の人の場合、医療費が高額になりそうなときは、事前に「限度額適用認定証」を申請しておくと、窓口での支払を自己負担限度額までにとどめることができます。

高額医療費貸付制度


高額療養費制度は払い戻しまで約3ヶ月かかります。その間の生活を考えて作られた制度がこの「高額医療費貸付制度」です。高額療養費の払戻額の8割相当額を無利子で借りることができます。払い戻しの際には、貸付金と払戻額とで清算し、残りの額(2割相当額)が患者さんの指定した口座に振り込まれます。

高額療養費委任払い制度(国民健康保険のみ)

医療機関で支払う金額をあらかじめ自己負担限度額にとどめ、残りの医療費は医療保険が直接医療機関に支払う制度です。医療機関の承認が必要な場合があるため、まずは市区町村の窓口か医療機関の相談窓口で申請方法を確認しましょう。

(相談先)

・自営業など→自治体(市区町村)の国民健康保険担当窓口
・会社員、公務員など→協会けんぽ (全国健康保険協会)、加盟している組合健保(健康保険組合連合会
※「協会けんぽ」は、全国健康保険協会という団体が運営、「組合健保」は、企業が自前で健保組合を設立したものです。加入している社会保険は保険証で確認できます。詳細はご自身の会社にお問い合わせください。

医療費控除......医療費が高額になったとき

 医療費控除とは所得税の還付制度です。医療費が10万円以上(もしくは総所得金額の5%相当額以上)かかった場合、税務署に確定申告すれば、事前に収めていた税金の一部が戻ってきます。

 扶養家族の分も合算できますし、入院や通院の交通費や薬局で買った薬、鍼灸院での治療費も含めることができます。また申告し忘れても、5年前までさかのぼって医療費控除を受けることができます。

 申告の際には医療機関から受け取った領収書、交通費の領収書などが必要になりますので、大切に保管しておきましょう。

(相談先)
住んでいる地域の税務署≫
郵便番号・住所から税務署を調べる(国税庁)

生活福祉資金貸付制度......医療費を借りたいとき

 低所得世帯(市町村民税非課税程度)、高齢者世帯、障害者世帯を対象にし、世帯の状況と必要に合わせた資金を貸し付ける制度です。原則として、連帯保証人を立てることが必要ですが、連帯保証人を立てない場合も申込めます。貸付利子の利率は、連帯保証人を立てる場合は無利子、連帯保証人を立てない場合は年1.5%となります。

(相談先)
自治体(市区町村)の社会福祉協議会≫
都道府県・指定都市社会福祉協議会(社会福祉法人全国社会福祉協議会)

国民健康保険の保険料の軽減・減免(免除)
......経済的、身体的理由で保険料が納められないとき

 災害や病気などにより生活が著しく困難になった場合や、前年より大幅に所得が減った場合などに保険料の全部、または一部が免除されます。

(相談先)
自治体(市区町村)の窓口≫ 全国自治体マップ検索(地方公共団体情報システム機構)

■協力
本記事は、乳がん体験者のためのコミュニティサイトCheerWomanチアウーマンで、 「お金のことに関するアンケート」を実施していただき、その結果を参考にして制作しました。チアウーマン会員のみなさま、ご協力ありがとうございました!

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなど

(日本医療・健康情報研究所)

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