2017年06月06日

アジア系米国人女性で乳がん罹患率が上昇――1988~2013年の米調査

キーワード:治療 調査・統計
  • twitterでつぶやく
  • 乳がん治療と乳房再建の情報ファイル
 アジア系米国人の女性では他の人種や民族の女性に比べて近年、乳がん罹患率が徐々に増加していることが、新たな研究で示された。

 米カリフォルニアがん予防医学研究所(CPIC)の研究チームは、カリフォルニア州に在住する7つのアジア系民族の女性を対象に、1988~2013年の乳がん罹患率の推移を調べた。7つの民族には中国人、日本人、韓国人、フィリピン人、ベトナム人、南アジア(インドおよびパキスタン)人、東南アジア(カンボジア、ラオス、モン族、タイ)人が含まれた。

 解析の結果、研究期間を通して日本人を除き、全てのグループで乳がんの年間変化率(APC)が上昇していることが分かった。上昇率が最も高かったのは韓国人(1988~2006年、APCは4.7)、南アジア人(1988~2013年、同2.5)であった。

 研究を主導したCPICのScarlett Lin Gomez氏は「今回の結果は、医療アクセスの格差に着目して公衆衛生上の課題に優先順位をつけることを支持するものだ」と述べている。

 今回の研究では、50歳以上の女性では全てのアジア系米国人グループで乳がん罹患率は増加しており、また、50歳未満の女性ではベトナムおよび東南アジアの女性で増加率が高かったことが分かった。なお、アジア系米国人女性全体の乳がん罹患率は白人女性のものよりも低かったが、50歳未満の女性に限ると日本人とフィリピン人女性における罹患率は白人女性と同程度であった。

 さらに、韓国、フィリピン、ベトナム、中国の女性では白人女性よりもHER2(ヒト上皮成長因子受容体2)陽性乳がんの罹患率が高いことも分かった。HER2は乳がんの発生に関与する遺伝子で、このタイプのがんは進行が速く予後が悪いとされる。

 なお、同氏らは今後、乳がんの早期発症や遺伝的素因などのアジア系女性におけるリスク因子に関する研究を進める予定だとしている。

 この研究は、「Breast Cancer Research and Treatment」オンライン版に4月1日掲載された。

記事原文 [HealthDay News 2017年4月14日]

Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
論文アブストラクト

おすすめイベント

関連ニュース・トピックス

ニュース・キーワード

ニュース・トピックス
オピニオン
働く女性と乳がん -がん治療と乳房再建のいま-
辻 直子(セルポートクリニック横浜院長、杏林大学形成外科非常勤講師 )
がんと就労~本人と職場を支える産業看護職のより良い支援とは~
錦戸 典子(東海大学大学院健康科学研究科)
病気になっても仕事を続けるための支援
荒木 葉子(荒木労働衛生コンサルタント事務所)
乳がんとともに生きる人を理解する
青木 美保(帝京大学医学部附属病院 帝京がんセンター 認定遺伝カウンセラー)
キチンと手術・ホンネで再建(KSHS)~乳がんぶっちゃけ話~
溝口 綾子(一般社団法人KSHS 代表 )
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のいまとこれから
中村 清吾(昭和大学医学部 外科学講座乳腺外科学部門教授、 昭和大学病院ブレストセンター長)
イベント・セミナー情報
10月21日(土) 愛知県
患者さん・一般の方向け
豊田厚生病院 第84回 がんサロン "煌(きらめき)"「患者・家族でもできる疼痛緩和」
10月21日(土) 愛知県
患者さん・一般の方向け
【豊田厚生病院】第6回がんについて考える市民公開講座 ~働きながらもがん治療が受けられる時代へ~
10月21日(土) 埼玉県
患者さん・一般の方向け
ピンクリボンフェスinきたもと2017
10月21日(土) 鳥取県
患者さん・一般の方向け
第9回 宿坊で語り合う がん患者の集い
10月21日(土) 東京都
患者さん・一般の方向け
順天堂医院 第10回 アピアランス講習会
トップページ 治療と乳房再建の基礎知識 乳がんと診断されたら 乳がんの治療について 乳房再建について 治療と仕事 医療費・制度 乳がん患者会 全国マップ ニュース・トピックス イベント・セミナー情報 オピニオン アンケート 調査・統計 このサイトについて お問い合わせ