2017年01月24日

乳がん骨転移患者へのゾレドロン酸投与、3カ月毎の投与で副作用低減

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 ビスホスホネート製剤のゾレドロン酸は、乳がんや前立腺がんの骨転移に伴う痛みや多発性骨髄腫による骨病変の治療に用いられるが、その投与頻度は従来の月1回と3カ月に1回で安全性や有効性に差はみられないことが、新しい研究で報告された。同薬による副作用の低減や医療費削減につながる可能性があるという。

 ゾレドロン酸は、がんに関連する痛みや骨病変の進行抑制に有効な治療法であるが、3~4週間ごとに点滴静注する必要があり、深刻な副作用を伴うことが課題とされてきた。この副作用には、インフルエンザ様症状や骨の痛みが挙げられるが、米ノースウェル・ヘルスがん研究所(ニューヨーク州)のJane Carleton氏(今回の研究には参加していない)によると、激しい痛みを伴い、有効な治療法がない顎骨壊死のリスクも高まるという。

 米Helen F. Grahamがんセンター・研究所(デラウェア州)のAndrew Himelstein氏らの研究グループは、ゾレドロン酸の投与回数を減らせれば、副作用の頻度を低減できるのではないかと考えた。そこで、骨転移のある乳がん、前立腺がん、多発性骨髄腫患者1,800人以上を対象に、ゾレドロン酸を月1回投与する群と3カ月ごとに投与する群にランダムに割り付けて2年間の治療を行った。

 その結果、治療開始から2年後に、研究に参加し続けていた患者は795人であった。追跡の結果、骨に関連した問題の発生率は、月1回投与群では30%だったのに対し、3カ月ごとに投与した群では29%と両群間で有意な差は認められないことがわかった。

 また、臨床転帰も両群間でほぼ同等であったことから、「3カ月ごとの投与方法もゾレドロン酸の治療選択肢として考慮できる可能性が示唆された」と、研究グループは結論づけている。

 Carleton氏は、この結果はがん患者には朗報であり、「がん治療においては、もっと強力な治療を行うべきか、あるいは治療回数を減らして治療に伴う副作用を低減するか、このバランスが重要だ」と述べつつ、ゾレドロン酸の投与回数を減らすことで、患者の負担や治療コストを低減できるだろうと付言している。

 この知見は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」1月3日号に掲載された。

記事原文 [HealthDay News 2017年1月4日]

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