2016年11月21日

女性ではがん8疾患のうち「乳がん」の医療費が半分以上 早期発見が重要

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 女性ではがん8疾患のうち「乳がん」の医療費が半分以上を占めることが、健康保険組合連合会(けんぽれん)が公表した「悪性新生物(がん)の動向に関する調査分析」で明らかになった。

 がん8疾患ががん医療費に占める割合は半分近く

 今回の調査は、1,124の健康保険組合(企業が設立する健康保険組合、企業の従業員とその家族が加入する)の加入者2,620万193人のレセプトデータ(2014年度)をもとに解析したもの。

 それによると、医療費総額(3兆4155億円)のうち、がん(悪性新生物)は10.5%を占め、呼吸器疾患(16.1%)に次いで多い。このほか医療費が多い疾患は、循環器系疾患(10.3%)、内分泌・栄養・代謝疾患(9.2%)、消化器系疾患(7.2%)などだ。

 厚生労働省の「がん検診に関する実施状況等調査結果」で、(1)胃がん、(2)肺がん、(3)大腸がん、(4)子宮頸がん、(5)乳がん、(6)前立腺がん、(7)肝がん、(8)甲状腺がん――が検診の対象疾患となっていることから、これらの疾患について調査した。これらの部位のがんは検診で早期発見が可能ながんだ。

 がん全体の中で、乳がん、大腸がんなどのがん8疾患に限ってみると、医療費に占める割合は47.6%とほぼ半分に達している。

 がん8疾患の医療費構成の割合をみると、もっとも多いのは(1)乳がん(30.4%)で、(2)大腸がん(22.1%)、(3)胃がん(13.5%)、(4)甲状腺がん(12.1%)、(5)前立腺がん(7.8%)の順となっている。

 性別にみると、男性では(1)大腸(31.9%)、(2)胃(20.7%)、(3)前立腺がん(18.7%)、(4)肺がん(18.5%)、(5)肝臓がん(8.2%)の順になっている。

 女性では(1)乳がん(52.2%)、(2)大腸がん(14.9%)、(3)子宮がん(11.3%)、(4)胃がん(8.3%)、(5)肺がん(7.4%)の順になっている。
がん8疾患の医療費構成の割合(医科合計)

男性では「前立腺がん」、女性では「子宮がん」「乳がん」の受診率が高い

 年齢層別にがん8疾患の受診率をみると、男性では35歳以降に年齢層が上がるにつれて受診率が高くなり、とくに「前立腺がん」は55歳以降で高い。女性では「子宮がん」が20歳以降で上昇し45~54歳でピークを迎えるほか、「乳がん」が30歳以降で上昇し65~69歳でピークを迎える。
がん8疾患の年齢階層別の受診率(1,000人当たり件数)
 1日当たり医療費は、がんは1万7,473円となっている。1人当たりの医療費を年齢階層別にみると、がんは40歳以上から高くなる傾向にあり、もっとも高いのは65~69歳で4.5万円となっている。

 がん8疾患別に1日当たり医療費をみると、もっとも高いのは(1)乳がん(30,323円)、(2)肺がん(16,048円)、(3)大腸がん(14,957円)、(4)前立腺がん(13,117円)、(5)胃がん(123,29円)となっている。
がんの早期発見・治療を積極的に進める必要がある
 がん8疾患について月平均受診者数をみると、悪性新生物8疾患合計では34万8,670人(1.3%)で、このうち「大腸がん」が7万6,073人(0.3%)ともっとも多く、次いで、「胃がん」が5万9,827人(0.2%)、「乳がん」が5万5,912人(0.2%)となっている。

 平均在院日数は、男性では「肺がん」が20.05日、「肝臓がん」が18.34日、「胃がん」が17.34日、女性では「肝臓がん」が19.27日、「肺がん」が18.98日、「胃がん」が17.81日。

 抗がん剤の価格高騰も激しく、最近では肺がんへの保険適用が決まった新薬は、1人の患者あたり年間3,500万円の費用がかかるという試算が示された。現実の薬価は引き下げられる可能性が高いが、新薬の登場でがんの医療費に占める割合は今後も高くなると予測されている。

 一方、がん検診は近年、高精度な画像診断機器や、血液中の成分を分析する機器の開発により、飛躍的な進歩を遂げてきた。がんの早期発見・治療をより積極的に進める必要がある。

健康保険組合連合会
(日本医療・健康情報研究所)

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