2016年09月20日

「医療保険」や「通院距離」が乳房再建を阻む要因に

キーワード:乳房再建 医療費・制度
  • twitterでつぶやく
  • 乳がん治療と乳房再建の情報ファイル

 医療保険の補償範囲や自宅から病院への通院距離が、乳房切除を行った乳がん患者が乳房再建術を受けるかどうかの選択に影響を及ぼすことが、新しい研究で示された。

 この研究で、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究者らは、ノースカロライナ州で2003~2006年に乳がんと診断され、診断から6カ月以内に乳房切除術を受けた5,300人強の女性患者のデータを解析した。

 解析の結果、対象患者の約2割が乳房再建術を受けていたが、民間の医療保険に加入している女性に比べて、米国の公的医療保険制度であるメディケアの受給者では乳房再建術の施行率は42%低く、メディケイド受給者では76%低いことがわかった。

 また、自宅から形成外科までの距離が16km以内の女性に比べて、16~32km圏内の女性が乳房再建術を受ける確率は22%低く、32km以上離れた場所に住む女性では27%低いことも判明した。白人に比べてマイノリティの女性は乳房再建術を受ける率は半減していた。

 さらに、これまで行われた研究と同様に、今回の研究でも、高年齢であることや進行したがん、放射線治療歴も乳房再建術を妨げる要因であることもわかった。

 筆頭著者である同校形成外科助教授のMichelle Roughton氏は、「乳がんは患者の身体面だけでなく、精神的な健康にも影響を及ぼすことがわかっており、乳房再建はこうした問題の解決に重要な役割を担っている。今回の知見は、乳房再建術の実施を妨げる障壁は、これまで考えられていたよりも多いということを裏づけるものだ」と述べている。

 この知見は、「Plastic and Reconstructive Surgery」8月号に掲載された。

記事原文 [HealthDay News 2016年8月2日]

Copyright c 2016 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
論文アブストラクト

おすすめイベント

関連ニュース・トピックス

ニュース・キーワード

ニュース・トピックス
オピニオン
働く女性と乳がん -がん治療と乳房再建のいま-
辻 直子(セルポートクリニック横浜院長、杏林大学形成外科非常勤講師 )
がんと就労~本人と職場を支える産業看護職のより良い支援とは~
錦戸 典子(東海大学大学院健康科学研究科)
病気になっても仕事を続けるための支援
荒木 葉子(荒木労働衛生コンサルタント事務所)
乳がんとともに生きる人を理解する
青木 美保(帝京大学医学部附属病院 帝京がんセンター 認定遺伝カウンセラー)
キチンと手術・ホンネで再建(KSHS)~乳がんぶっちゃけ話~
溝口 綾子(一般社団法人KSHS 代表 )
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)のいまとこれから
中村 清吾(昭和大学医学部 外科学講座乳腺外科学部門教授、 昭和大学病院ブレストセンター長)
イベント・セミナー情報
12月15日(金) 愛媛県
患者さん・一般の方向け
四国がんセンター 生活に役立つリハビリテーション「むせずに食べよう! ~上手に飲み込むためのリハビリ~」
12月16日(土) 東京都
患者さん・一般の方向け
順天堂大学医学部附属順天堂医院 主催 第20回 市民公開講座 
12月16日(土) 新潟県
患者さん・一般の方向け
医師・医療スタッフ・保健師向け
人生を楽しむ、乳がん手術後のアピアランスケア
12月16日(土) 東京都
医師・医療スタッフ・保健師向け
平成29年度 「がん患者の外見ケアに関する研修会」基礎編
12月17日(日) 東京都
患者さん・一般の方向け
キャンサーフィットネス キャンサーヨガ&ピラティス教室
トップページ 治療と乳房再建の基礎知識 乳がんと診断されたら 乳がんの治療について 乳房再建について 治療と仕事 医療費・制度 乳がん患者会 全国マップ ニュース・トピックス イベント・セミナー情報 オピニオン アンケート 調査・統計 このサイトについて お問い合わせ