2016年08月12日

オンラインサポートを受ける乳がん患者は治療満足度が高い

キーワード:ライフスタイル
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 乳がんと診断されたのちに、ソーシャルメディアを通して話し合ったり、オンライン上で治療法に関する情報や支援を受けた女性では、最終的な治療決定に対する満足度が高いことが、新しい研究で示された。

 「今回の知見は、患者が乳がんの治療法を選択する際に必要とする支援のニーズが満たされていないことを強調するものだ。しかし、現時点では、臨床現場ですべての患者がソーシャルメディアやオンライン・コミュニケーションを最大限に利用することは難しい」と、研究を主導した米ミシガン大学医学部のLauren Wallner氏は述べている。

 この研究は、乳がんと診断されたのちにメールや携帯(ショート)メール、ソーシャルメディア、オンラインサポートグループへの参加などの使用経験に関する質問に回答した2,460人の女性を対象としたもの。

 解析の結果、全体で40%以上の女性が「ときどき」、あるいは「頻繁に」オンラインでコミュニケーションをとったと回答していた。また、約30%の女性はメールまたは携帯メール、あるいはその両方を、約12%はTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを使用しており、オンラインサポートグループの利用も約12%の女性にみられた。

 それぞれのメディアを用いる理由は異なり、メールや携帯メールは乳がんと診断された事実を誰かに伝える手段として用いられていたが、治療法や専門医による推奨内容に関する情報交換には、ソーシャルメディアやオンラインサポートグループを用いる傾向がみられた。さらに、これらのメディアは、乳がんの診断を受けたのちの否定的な感情やストレスに対処するためにも広く用いられていることがわかった。

 こうしたメディアを用いる女性の特徴は、若い女性が多く、白人やアジア人の女性ほどオンライン・コミュニケーションを用いる頻度が高く、黒人やヒスパニック系ではこれらの利用率は低かった。また、オンラインでコミュニケーションをとる女性では、自分の治療決定に対して最も肯定的で、その決定は慎重になされたもので満足度も高いと回答する割合が高かった。

 ただし、この知見は、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアの利用がすべての乳がん患者にとって有益であることを証明するものではなく、解釈には注意が必要であると、研究グループは強調している。

 同氏は、一部の乳がん患者ではソーシャルメディアは治療の一助となりうるが、患者ケアの一環に組み込むことには慎重な考えを示し、「われわれ医療者は、患者がオンライン上で目にする情報をすべて把握しているわけではなく、こうした情報の質や量などの実態はよくわかっていない。よりよい患者支援を行うには、まず、こうした点を十分に理解する必要がある」と述べている。

 この知見は、「JAMA Oncology」オンライン版に7月28日掲載された。

記事原文 [HealthDay News 2016年7月28日]

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