2016年05月13日

乳がんの化学療法で98%以上の患者が脱毛  発毛まで平均3.4カ月

キーワード:ライフスタイル 治療
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乳がんの術前・術後に化学療法を受けた患者1478名を対象としたアンケート調査の結果で、乳がん経験者が「化学療法中に感じた苦痛」の1位は脱毛であることがわかりました。

アンケート結果

  • 99.9%が脱毛経験あり
  • 再発毛開始までの平均期間は化学療法終了後3.4ヶ月
  • 回復率は、化学療法終了後2年で8割以上が半数以上(5年を経過しても回復率3割以下の回答もあり)

化学療法中に感じた苦痛、1位は脱毛

 調査対象は、過去5年以内にアントラサイクリンまたはタキサンを含む術前後化学療法を受けた乳がん患者さんで、49施設に通院する1478人からのアンケート回答を解析しました。

 「化学療法中に感じた苦痛」という質問に対し、最も多かったのは「脱毛」です。90%以上の回答者が「非常に苦痛」「ある程度苦痛」「やや苦痛」と回答しました。

 そのほかは、「全身倦怠感」、「治療期間の長さ」、「病状や治療への不安」、「治療にかかった費用」でした。

 一方、1990年代まで化学療法において大きな問題とされてきた「吐き気・嘔吐」は14位で、苦痛と感じた人の割合は55%でした。これは制吐療法の進歩によるものと考えられます。

再発毛までは治療後3.4ヶ月

   頭髪の状況については、回答者1458名のうち99.9%が脱毛を経験。抜け始めまでの日数は化学療法開始後から平均で18日でした。そして頭髪の8割以上が脱毛したと94%が回答しました。

 また、眉毛・まつげについても、8割以上が脱毛したと約60%が回答しました。

   再発毛開始までの平均期間は化学療法終了後3.4ヶ月でした。化学療法前の状態と比較して、どの程度脱毛が回復したかという質問に対しては、回答者60%が「化学療法終了後2年で8割以上回復」と答えました。

   しかし、中には「化学療法後5年が経過しても30%以下の回復」と答えていて、再発毛まで長期にわたる場合も見られました。そして発毛不良について最も多かった部位は前頭部および頭頂部でした。

再発毛までの便利グッズは?

 ウィッグ(かつら)については55%の人が毎日使用し、平均使用期間は12.5ヶ月でした。ウィッグ以外では帽子を活用が多く、使用頻度は少ないですがタオルキャップやバンダナも使用されていました。

参考:
乳癌補助化学療法における脱毛の実態に関する多施設アンケート調査
(-CSP-HOR化学療法に伴う脱毛患者サポートに関するワーキンググループ -)

 *上記アンケートは2015年7月の日本乳癌学会学術総会において、仙台医療センター乳腺外科の渡辺隆紀氏が発表しました。

■取材・文/瀬田尚子
出版社勤務を経て、フリーランスのライター・編集者に。医療・健康分野を中心に雑誌、書籍、WEBメディアなどで取材・執筆を行う。

(日本医療・健康情報研究所)

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